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米ドル高の再燃に要注意

4月に入り、米ドル高ムードが再び高まっています。3月のようなリスク回避の米ドル高が再燃するかどうか、今週はこの点に注意する必要があります。米ドル相場の動向を見極める上で重要な指標となるのは?ドル円の見通しは?詳細はマーケットレポートにて。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

米ドル高ムード再び

今週の外為市場は米ドル高の再燃に注視する1週間となろう-

3日の米雇用統計で非農業部門雇用者数変化は市場予想(10万人減)を大幅に下回る70.1万人減となった。失業率も3.8%から4.4%へ悪化。興味深いのは、外為市場で米ドル高の展開となったことだ。3月以降、米ドル相場は投資家心理のバロメーターとしての役割を果たしている。現在は、FEDが国債や住宅ローン担保証券(MBS)を無制限に購入する超量的緩和のフェーズにあり、米ドル相場にはむしろ売り圧力が高まり易い相場環境にある。しかし、4月に入ると米ドル高圧力が再び高まりつつあり、3日は米ドル全面高となった。この状況は、新型コロナウイルスの問題が再び金融市場全体を混乱させる可能性があることを示唆している。
米ドル高が再燃するかどうか、この点を考える上で重要となるのが調達コストの動向である。現状、対円と対ユーロでの米ドルの調達コストは低下基調を辿っている。この状況が続くならば、米ドル高の局面が散見されても、それは投資家心理の悪化を意味するものではない。問題は、調達コストが再び上昇する場合である。これは先行き不透明感の高まりと、それに伴う米ドル需要の高まりを意味する。FEDの無制限緩和にもかかわらず、3月と同じ現象(=調達コストの上昇→米ドル高)の展開となれば、世界の株式には下落圧力が高まろう。そして株安は、円高やスイスフラン高の圧力を高めよう。

米ドルの調達コスト

調達コスト 米ドル currency basis swap

ドル円の短期の見通し

上述した米ドル高圧力の高まりを意識している市場が、通貨オプション市場である。参加者の予測を織り込むリスクリバーサルの動向を確認すると、1週間のそれは上昇基調にある。つまり、通貨オプション市場の参加者は短期的なドル円の上昇を予測している。だが、低下基調にあるインプライドボラティリティの動向を考えるならば、3月のように一気に110円台や111円台をトライする状況にはない。まずは4月に入りレジスタンスポイントとして意識されている108.70レベルを完全に突破できるかどうか、この点が焦点となろう。すぐ上の108.80にはオファーが観測されている。この水準の突破は、109円トライのシグナルとして意識したい。
一方、下値の焦点は、3月下旬からサポートポイントとして意識されている107.00の攻防となろう。この水準にはビッドが観測されている。

ドル円-通貨オプション市場の動向

USDJPY ドル円 リスクリバーサル インプライドボラティリティ


ドル円チャート

USDJPY ドル円 チャート分析

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