追加の米景気対策を巡る報道、米雇用統計そしてドル円の展望 / ドル円のチャートポイント
今日のポイント:『焦点は引き続き米景気対策を巡る動き。今日は9月の米雇用統計にも注目。ドル円は米株と米金利の動向次第でトレンドが左右されると予想。注目のチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
追加の米景気対策を巡る報道、米雇用統計そしてドル円の展望
昨日の米国株式市場では主要3指数が総じて上昇した。
この日発表されたISM製造業景況指数(以下ISM指数)は55.4と、市場予想の56.3下回ったが米株への影響は限定的だった。
米株高が堅調地合いを維持していることで、外為市場では米ドル売り優勢の状況が続いている。一方で円を売る動きもあり、ドル円は『売りvs売り』の圧力に挟まれ、大きな値動きは見られなかった。
焦点は、引き続き追加の景気対策を巡る米議会の動向である。
ペロシ下院議長は1日、合意について懐疑的にみていると民主党幹部らに話した、との報道が伝わっている。
ペロシ氏は数日前に『合意の可能性』について言及していたが、やはり共和党との大きな溝を埋めきれずにいる状況が続いているようだ。
米議会は来週以降、休会となる。コロナショックが経済に与える影響を考えるならば、臨時の協議が開かれる可能性はあるが、それでも合意に至らない場合は、追加の景気対策を巡り再び不透明感が高まろう。
この点が意識されるならば、9月のように『米株高の調整→米ドルの買戻し』の状況へ逆戻りする展開を予想する。
今日は9月の米雇用統計が発表される。
景気対策の議論がこう着しているタイミングで、ISM指数に続き米雇用統計が市場予想を下回るならば、米株高の調整圧力を高める要因となろう。外為市場では『米ドル買いvs円買い』の展開を予想する。ドル円は下値トライとなるだろうが、米ドル買いにサポートされよう。
一方、米雇用統計が市場予想を上回るならば、米株の堅調地合いは継続しよう。このケースでは米金利の動向次第でドル円のトレンドが左右されると予想する。
9月米雇用統計の予想値
ドル円のチャートポイント
米株高が続く場合、ドル円は狭いレンジで売り買いが交錯するだろう。
チャートをみると、105.80レベルで上値の重い展開となっている。
米株高の局面では『米ドル売りvs円売り』の戦いとなる。この戦いに米長期金利(以下米金利)の上昇という要因が加われば、ドル円は105.80レベルを突破すると予想する。
だが、その米金利は0.72%前後でキャップされる状況が続いている。よって、米金利が現在の低空飛行状態を維持するならば、105.80レベルをレジスタンスに現在の売り買い交錯相場が続くと予想する。
一方、『冴えない米雇用統計→米株高の調整』の展開では『米ドル買いvs円買い』の戦いとなろう。
このケースでは、円買いの圧力により下値トライの展開が予想される。だが、105円を下方にブレイクする場合は米ドル買いの圧力にサポートされよう。104.90レベルもしくは104.40レベルを反転のポイントと予想する。
ドル円のチャート
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