欧米の指標データとユーロ相場について
イラン情勢は小康状態となるも引き続き要警戒です。また、今日以降は欧米の指標データも外為市場のトレンドに影響を与えるでしょう。今日はドイツおよび米国の指標データの発表が予定されています。ユーロドルおよびユーロ円の動きに注目です。詳細はマーケットレポートをご参照ください。
欧米指標データ
7日の外為市場では、新興国通貨および資源国通貨の売り圧力が再び高まる展開となった。一方、米ドルと日本円は買い優勢で推移した。イラン情勢は小康状態となっているが、昨年9月に発生したドローンによるサウジアタックのようなリスクイベントが突発的に発生する可能性がくすぶる以上、リスク回避相場の再来を常に警戒すべきフェーズにある。
このような状況の中、今日以降は欧米の指標データも外為市場のトレンドを左右するファクターとなろう。本日は11月独製造業新規受注(日本時間16時)と12月ADP雇用統計(同22時15分)が発表される。直近のユーロドルは指標データに反応する傾向が見られることから、前者の独指標データ次第で上下に振れる可能性がある。
一方、後者の米指標データにも注目したい。12月のISM製造業の雇用指数は45.1、そして同月ISM非製造業の雇用指数は55.2と、それぞれ前月から低下した。ADP雇用統計まで市場予想(16.0万人)を下回る内容となれば、今月10日の12月雇用統計に対する警戒感が高まろう。株高にも原油高にも追随できない状況が続く中、指標データまで冴えない内容となれば、米長期金利には低下圧力が高まることが予想される。良好な独指標データと冴えない米指標データとなれば、ユーロドルは1.12レベルを視野に上昇しよう。逆に冴えない独指標データと良好な米指標データとなれば、21日MA(1.1140前後)を下方ブレイクし、1.1120レベルを再びトライする展開を予想する。一方、ユーロ円の焦点は、120円台の維持(下値)および121.40の突破(上値)である。チャートポイントの詳細は以下を参照。
ユーロドルとユーロ円のチャートポイント
イラン情勢に対する警戒感は根強く、外為市場では米ドルが買われやすい状況にある。よって、今日は21日MAの攻防が焦点となろう。欧米の指標データによりこのMAを下方ブレイクする展開となれば、次の下値ターゲットは1.1120の攻防となろう。1.1130および1.1120にはビッドが観測されている。一方、21日MAの維持に成功する場合は、1.12を視野に上昇幅の拡大を予想する。1.1200にはオプションバリアの攻防が予想される。だが、どちらに振れてもインプライド・ボラティリティが再び低下傾向にあることを考えるならば、今日の指標データで上下に大きく動く可能性は低い。
一方、ユーロ円はイラン情勢の緊迫化とそれによる円高リスクがくすぶっている状況を考えるならば、下落リスクを意識したい。下値の焦点は120円台の維持だが、テクニカル面では115.84(昨年9/3安値)を起点とした短期サポートラインの維持に注目したい。このラインは今日現在120.27前後で推移している。このラインの下方ブレイクは、120.00トライのシグナルとして警戒したい。120.50、120.10および120.00にはビッドが観測されている。一方、イラン情勢の小康状態が続き、良好な指標データによりユーロドルが上昇する場合は121.40の突破が焦点となろう。テクニカル面では21日MA(121.49)の攻防に注目したい。121.50および121.60にはオファーの観測あり。
ユーロドルのチャートポイント
ユーロ円のチャートポイント
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