米ドル相場 潮目の変化を確認する局面へ
10月入りしてから、外為市場では欧州通貨買いに隠れて米ドル安優勢の展開となっています。今年夏からの米ドル高トレンドが転換するかどうか、目先は2つの点に注目すべきでしょう。それは何か?マーケットレポートをご覧ください。
・米ドル相場 潮目の変化を確認する局面へ
10月に入ってから、米国債券市場では長期金利(以下米金利)の反発局面が散見された。しかし、米ドル相場のパフォーマンスを確認すると、対先進国通貨では日本円以外で総じて米ドル安の展開となっている。一方、対新興国通貨のパフォーマンスを確認すると、明確に米ドル高優勢で推移しているのはトルコリラとインドルピーに対してのみ。これら以外の主要な新興国通貨対しては総じて米ドル安の状況が続いている。ここで考えるべきは「7月以降の米ドル高トレンドの潮目が変化したか?」ということである。この点を確認する上で重要なことはふたつある。ひとつは欧州通貨の動きである。ハードブレグジットのリスクが一時的によせ後退するという期待先行で英ポンドは急反発している。この動きにユーロも追随している。しかし、英国と欧州連合が合意した離脱条件の修正案に対しては、英国内で早くも異論が噴出。19日の英国議会で修正案についての議論が行われるが、キャスティングボードを握る民主統一党(北アイルランドの地域政党、DUP)は修正案に対して早くも反対を表明。英国政治の混迷が続く可能性が高いが、それでも英ポンドやユーロが現在の反発基調を維持する場合、それは欧州通貨買いではなく米ドル相場のトレンド転換 ― つまり米ドル安圧力の高まりの可能性を意識すべきだろう。
だが、この点を確認するために、もうひとつ注視すべきことがある。それが米国債券市場の動向である。2012年以降、米国10年債価格は「130-135ドルレンジ」でレジストされるトレンドパターンが続いている。今年8月以降、このゾーンの攻防へシフトしているが、トレンドパターンに変化は見られない。しかし、米債価格が反落しても直近は129ドルレベル(フィボナッチ・リトレースメント61.80%の水準)で底堅さが増し、しかも9月安値128ドルから下値の水準が切り上がっている。この状況は明らかにFEDの政策スタンスを意識している。引き続き129ドルレベルで米債価格がサポートされる場合、それは米金利の低空飛行状態が継続することを意味する。欧州通貨買いトレンドのタイミングで米金利に再び低下圧力が高まる場合、米ドル相場全体が下落トレンドを鮮明にしよう。ドル円はクロス円にサポートされながらも109円レベルで上値の重い展開が続こう。尚、現在は株高局面にあるが、「株高 / 米金利低下」の局面で最も買われやすいのはリスク性の高い新興国通貨である。
【米ドル相場のパフォーマンス:対先進国通貨】
【米ドル相場のパフォーマンス:対新興国通貨】
【米国10年債先物価格】
・ドル円とユーロドルのチャートポイント
今日のドル円も米金利の動向にトレンドが左右されよう。株高が継続しても米金利の反発無しに109.00突破は難しいだろう。109.00にはオファーが観測されている。一方、下値の焦点はビッドが観測されている108.40の攻防となろう。昨日は108.45でサポートされた。108.40以下の攻防へシフトする場合は、同じくビッドが観測されている108.20および108.00を次の下値ターゲットと想定したい。
ユーロドルは調整の反落を警戒したい。だが、通貨オプション市場でのユーロのコールオーバーとリスクリバーサル(1週間物 / 1ヶ月物)の上昇トレンドを考えるならば、下落幅は限定的と予想する。焦点は1.11台の維持だが、1.10台へ反落しても1.1060レベルで反転する展開を予想する。一方、上値の焦点は、フィボナッチ・リトレースメント50.00%の水準1.1144レベルおよび1.1164(8/26高値)の突破となろう。1.1160にはオファーが観測されている。
【ドル円】
【ユーロドル】
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