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拡大する米株のボラティリティ

1月下旬に発生したリスク回避局面とは違い、今回の株安局面では米株のボラティリティが大きく変化しています。今日はこの点にフォーカスした内容です。詳細はレポートにて。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

注視すべき2つの米株ボラティリティ

米国株式市場は今年に入り2度目の大きな下落局面にある。最初の下落局面は1月下旬から2月上旬にかけて発生した。現在は2度目の下落局面にあるが、前回と違い大きく点はボラティリティの動向にある。S&P500のオプション価格を原資産としたVIX指数は警戒水準の20ポイントを完全に突破していることである。ナスダック100のオプション価格を原資産としたVXN指数も25ポイントの警戒水準を超え、31ポイント台まで急上昇している。1度目の下落局面とは違い、新型ウイルスの感染リスクに対する投資家の警戒レベルが上がっていることを示唆する動向である。
もうひとつ注視すべきボラティリティは、米株のベンチマークとなるS&P500(実勢相場)のそれである。20日間の標準偏差を年率で換算したボラティリティを確認すると、20%台まで急騰している。このレポートで再三指摘してきた通り、2018年以降、「低すぎる水準6%」前後までボラティリティが低下すると、その後急拡大するパターンが繰り返されてきたが、このトレンドが未だ健在であることが今回の拡大で確認できた。24%まで上昇すると、ひとまずボラティリティの拡大が止まった経緯が3回確認されていることを考えるならば、調整の買戻しを挟みながら、フィボナッチ・リトレースメント61.80%の水準3,060ポインド付近まで下落する可能性がある。もう一段の下押しがあった後に反発基調へ転じるか否か?この点は中国サイドのウイルス対策次第となろう。この点で後手に回る状況が続くならば、ボラティリティの拡大基調が続く状況を警戒したい(2018年後半に発生した株安局面の再来を警戒したい)。

米株のボラティリティ指数

VIX VXN ボラティリティ 米株 us stock

S&P500指数

S&P500 米株 ボラティリティ volatility

ドル円は上下に振れる展開を予想

久々に変動幅が拡大しているドル円だが、25日のレポート「リスク回避局面と最強通貨について」で指摘したインプライド・ボラティリティ(1週間)の動向を確認すると、7%の水準を維持している(レポート執筆時点で7.8%)。よって、ドル円は引き続き上下に振れる展開を予想する。米株同様、調整の買戻しは見られるだろうが、リスク・リバーサルが低下傾向にあることを考えるならば、より意識すべきはダウンサイドリスクの方である。すでに110円台を下方ブレイクした状況を考えるならば、次の下値ターゲットは2月に入り相場をサポートし続けている109.50台の維持である。109.50にはビッドが観測されている。109.50ブレイクとなれば、次のターゲットは109.00となろう。この水準はフィボナッチ・プロジェクションの161.80%の水準にあたる。109.00にもビッドの観測あり。

ドル円

USDJPY ドル円 テクニカル フィボナッチ

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