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焦点は米指標データと金利の動向

投資家のリスクセンチメントは改善傾向にあります。しかし、米金利の反発基調が継続するかどうかは、米指標データ次第といえるでしょう。米金利の動向を考えることはドル円のトレンドを見極める上で重要です。詳細は今日のマーケットレポートにて。

Source :Bloomberg Source :Bloomberg

Analysis Highlights

・焦点は米指標データと金利の動向

高値圏での攻防を維持する米株、警戒水準以下で安定的に推移している米株のボラティリティ指数(VIX / VXN)、そして利益確定売りに圧され調整圧力に直面するNY金相場。これらの動向は、投資家のリスクセンチメントが改善傾向にあることを示している。このトレンドが発生したきっかけが米中対立リスクの後退にあることを考えるならば、この件に関する新たなネガティブ報道が無い限り、リスク選好優勢の状況は続こう。だが、米長期金利(以下米金利)のトレンドを予測する上では、米中対立に関する報道だけでなく指標データの内容も重要となる。この点は、2019年に入り株高トレンド(=リスク選好相場)に米金利が追随出来ない一方、良好な指標データには素直に反発する地合いが示している。今週は8月のインフレ関連指標(生産者物価指数 / 消費者物価指数)および個人消費を見極める上で重要な小売売上高(同じく8月)が発表される。米債市場の参加者は景気動向に神経をとがらせている。故にこれら指標データの内容次第で今週の米金利は上下に変動しよう。
米金利のトレンドを見極めることは、ドル円のトレンドを見極めることにつながる。事実、今年のドル円は米金利のトレンドに沿って動いていることがわかる。よって、良好な指標データの内容が続くケースでは「米金利の反発基調維持→ドル円の上昇」を予想する。逆に指標データが市場予想を下回るケースでは「米金利の低下→ドル円の反落」を予想する。ユーロドルは米指標データの内容に加え、ECBイベントも見極める必要がある。この点の詳細ついては12日のレポートにて。

【米長期金利(10年債利回り)】

The US treasury yield 米長期金利 10年債利回り

・ドル円とユーロドルの展望

今週のドル円は、上述のとおり米指標データと金利にらみの展開となろう。米金利の反発基調が続く場合、108.00を視野に上昇幅の拡大を予想する。テクニカル面では、112.39(4/24高値)を起点とした短期レジスタンスラインの攻防が焦点となろう。このラインは12日に108.00の水準とクロスする。107.50および108.00にはそれぞれオファーが観測されている。一方、米金利に再び低下圧力が高まるケースでは、21日MA(今日現在106.37前後)の攻防が焦点となろう。国際金融市場のボラティリティが高まった昨年10月以降の動向を確認すると、21日MAが推移している水準から実勢相場がプラス0.8%以上かい離すると反落するパターンが見られる。現状、その0.80%のレベルに到達している。このタイミグで上述した米指標データが総じて市場予想を下回るならば、ドル円の反落リスクを警戒したい。
ユーロドルは、米指標データとECBイベントにらみの展開となろう。ECBイベントまでは米金利の動向にトレンドが左右されよう。目先の攻防分岐は21日MA(1.1068前後)である。米金利の反発によりユーロのショートカバーの影響が相殺され、現在このMAがレジスタンスラインとして意識されている。米金利の反発基調が続く場合は、21日MAの突破に失敗することで1.1割れの展開を予想する。一方、米金利に再び低下圧力が高まるケースでは21日MAの突破、および1.11トライを予想する。後者のケースでは、1.1412(6//25高値)を起点とした短期レジスタンスラインの攻防が焦点となろう。このラインは今週12日に1.11の水準とクロスする。

【ドル円】

USDJPY ドル円


【ユーロドル】 

ユーロドル EURUSD

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