株高でも米ドル全面安とはならず / ドル円とポンドドルのチャートポイントは?
今日のサマリー。株高でも米ドル全面安とはならず。「コロナショック」に対する警戒レベルが高まっている。ドル円とポンドドルの短期的な展望について。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
株高でも米ドル全面安とはならず
週明けの米国株式市場は上昇スタートとなった。
株高局面での外為市場では、米ドル安と円安の圧力が同時に高まる、というのが4月以降、繰り返されてきたトレンドである。
しかし、昨日の円相場は円安優勢となったものの、米ドル相場は強弱まちまちの展開だった。
特にリスク性の高いオセアニア通貨や新興国通貨に対し米ドルは底堅さを維持した。
昨日は米国株式の上昇に加えて、米債市場では長期金利が低下した。
「株高 / 米金利低下」という状況は、米ドルが売られリスク性の高い通貨が買われやすい相場環境である。
しかし、上述したとおり実際の相場は全く逆の展開となった。
3月に「コロナショック」が発生して以降、このリスクが意識される局面では米ドル買いというトレンドが続いている。
昨日の状況と米ドル買いのトレンドを考えるならば、「コロナショック」に対して市場関係者の警戒心が再び高まっていることがうかがえる。
米ドル相場のパフォーマンス
ドル円は108.00トライが焦点
「コロナショック」を警戒した米ドル買いと株高を意識した円売りにより、昨日のドル円は107.88レベルまで上昇した。
本日の米国株式が続伸する展開となれば、焦点は108.00のトライとなろう。
昨日、上値を抑制した107.90および108.00にはそれぞれオファーが観測されている。
108円台へ上昇する場合、最初に注視すべきレジスタンスポイントは108.20レベルとなろう。
この水準は、今月9日の東京時間からNY時間の序盤にかけて上値を抑制した経緯がある。
一方、下値の焦点は107円台の維持となろう。
107.00をトライするならば米株安の局面と予想する。
だが、株安は米ドル買いの圧力を高める要因である。
よって、107円台を下方ブレイクしても、今月26日に相場をサポートした106.80レベルで反転する展開を予想する。
ドル円のチャート
英ポンドは下値トライを警戒
ユーロドルは現在、1.14レベルがレジスタンスポイントとして意識され上値の重い展開となっている。
そのユーロに対して下落しているのが英ポンドである。
先ほど独仏首脳会談が行われ、現在のユーロ買いの要因と言われている大規模な復興基金の実現については、7月のEU首脳会議で合意を目指すことで一致した。
一方の英国は、EUとの新たな貿易協定の交渉が行き詰まっている。
国際政治の状況、そして「コロナショック」を警戒した根強い米ドル買いが続く状況も考えるならば、英ポンド相場は上値の重い展開が続こう。
対米ドルでは、5月の下旬に相場をサポートした1.2160レベルを目先のサポートポイントと想定したい。
この水準は3月27日と4月7日にも相場をサポートした経緯がある。
1.2160レベルを下方ブレイクする展開となれば、5月18日安値1.2073を視野に下落幅の拡大を予想する。
英ポンド/米ドルのチャート
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