成田国際空港会社(NAA)が、A滑走路(4000メートル)の夜間運用時間を午前0時まで1時間延長する方向で調整に入った。近隣諸国の巨大空港との競争に直面する成田空港にとって運用時間延長は拠点性を強化するうえで明るい材料だ。
NAAは2019年秋にも地元自治体と調整を行う。運用時間延長は今年3月に国、千葉県、周辺9市町とNAAの4者協議会で合意した機能強化策のひとつ。地元の同意が得られれば、東京五輪の開幕までに発着回数を増やせる見込みだ。NAAの夏目誠社長は25日、来年の冬ダイヤ(10月末~翌年3月末)までに実施したいと述べた。
現在の滑走路の運用時間は午前6時~午後11時で、時間延長は1978年の開港以来初めてとなる。
成田空港は18年夏ダイヤ(3月25日~10月27日)で格安航空会社(LCC)の割合が19.1%となり、17年夏ダイヤから2.5ポイント上昇。国内線に限って見ればLCC比率は70.8%だ。旅客取り込みに大きな役割を果たすようになったLCCだが、少ない機材をフル活用することで収益を上げる事業モデルにとって滑走路の飛行時間制限は大きな障害だ。運用時間が延長されれば、LCCは成田空港に深夜に到着するダイヤ設定が可能になる。
前述の4者協議会では、3本目の滑走路新設も合意された。3000メートルの新滑走路の完成予定はおよそ10年後で、その段階で運用時間を午前5時~翌午前0時半まで一段と拡大するという。
NAAは25日、18年冬ダイヤ(18年10月28日~19年3月30日)の定期航空会社スケジュールについて、総発着回数が週あたり4741回、就航都市数が海外112都市・国内21都市の計133都市、乗り入れ航空会社数が99社となることを発表した。総発着回数と国際線発着回数は冬ダイヤとしては最高。定期乗り入れ航空会社数が99社とダイヤ期初として最高の水準だ。
現行の夏ダイヤにおける成田空港の就航先は海外118都市・国内20都市の計138都市。
森記念財団都市戦略研究所が18日発表した「世界の都市総合力ランキング2018」で東京はロンドン、ニューヨークに次ぐ総合3位。しかし、交通アクセス部門では26位にとどまった。同部門の順位は香港が10位、ソウルが12位、北京が24位。