米ニューヨーク原油先物相場は29日、いったん割り込んだ1バレル=50ドルを回復。ロシアが石油輸出国機構(OPEC)の減産に協調する可能性があるとの報道が背景。これを受け、きょうは出光興産など国内の石油関連株も買われた。
終値は出光興産が前日比285円(7.41%)高の4130、昭和シェルが95円(5.71%)高の1759円、国際帝石が35円(2.99%)高の1205円。
米原油先物の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)1月限は、米国時間29日未明の時間外取引で49.41ドルまで下落。米エネルギー情報局(EIA)が28日発表した週間統計で、米原油在庫が約1年ぶりの高水準となったことが背景。50ドルを割り込むのは2017年10月以来となる。
さらには、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が28日、同国単独での減産は行わないと述べたことも売りの材料になった。
ロシアがOPECの協調減産との見方
しかし、その後の通常取引では、ロシアがOPECとの減産に協調するとの見方から、一転して買いが優勢になった。
ロシアのプーチン大統領が28日、原油価格について60ドルなら満足できるとし、必要に応じOPECとの取り組みを続ける用意があると述べたことが伝えられ、来週のOPEC総会で協調減産が決まる可能性があるとの見方が広がった。
通常取引の終値は前日比1.16ドル高の51.45ドル。
OPECが減産を模索する一方、米国では増産が見込まれる。米石油サービス大手ベーカー・ヒューズは11月21日、米国の石油掘削装置(リグ)稼働数を1079基と発表した。これは前年を156基上回る水準。
米リグ稼働数は16年5月に316基まで減少した後、原油相場の回復を受けて増加に転じた。
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