カタールは3日、石油輸出国機構(OPEC)に対し、来年1月に脱退する意向を伝えた。アルカービ・エネルギー相が会見で明らかにした。同国の脱退により、OPECの価格支配力は一段と低下する可能性がある。
ドーハで会見を開いたエネルギー相は、これはガス産業の発展に注力するための長期戦略に基づく決断だと語った。
同国は6日にウィーンで開催されるOPEC総会には出席する予定。
OPECの主力メンバーであるサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)は昨年、カタールがテロ組織を支援しているとして、一方的に同国と断交した。
市場関係者はOPEC総会での減産の決定やロシアなどの非加盟国の協調に注目していた。カタールは、脱退後はOPECの合意に関与し続けることはないと表明している。
米原油先物の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は10月3日、イラン産原油の供給ひっ迫懸念を背景に期近限月が1バレル=76.90ドルの約4年ぶりの高値を付けたが、その後、一転して下げ基調に。米国がイラン産原油の禁輸について一部の国に適用除外を容認したことや、米中貿易摩擦に伴う世界景気の減速などで、11月29日に50ドルを割り込む場面があった。
1日の米中首脳会談で貿易摩擦に対する懸念が和らいだことで、3日の原油相場は買いが優勢となった。カタールのOPEC脱退が伝えられた頃には、グローベックスで53ドル台後半まで強含んだ。
カタールの原油生産量はOPEC加盟国で11番目。一方、同国は世界最大の液化天然ガス(LNG)の輸出国。