中国・上海総合指数が下落。8日発表の11月の貿易統計で輸出の伸びが予想を下回ったことが材料になった。また、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が9日、米中貿易協議で定められた90日間は厳格な期限だと述べたことも、それまでの楽観的なムードに水を差した。
加えて、ファーウェイ(華為技術)幹部のカナダでの逮捕を受けた米中関係の悪化も相場の重しになっている。
10日終値は前週末比21.31ポイント(0.82%)安の2584.58。終始2600の節目を下回った。
中国の税関当局が8日発表した11月の貿易統計によると、全体の輸出は前年同月比5.4%増と市場予想の9.4%増を下回った。
一方、対米貿易では米国への輸出が同9.8%増だった一方、米国からの輸入は同25%減となった。この結果、米国への輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、355億ドル(約4兆円)の黒字。前年同月比で27.6%増と単月ベースでは過去最大となった。
米国が来年1月から中国製品2000億ドル分に課す関税を追加で引き上げるとしていたことで、駆け込み輸出があったとみられる。
ファーウェイの孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)が逮捕された件では、米国が8月に詐欺容疑で同氏の逮捕状を発行していたことが明らかになった。ファーウェイは香港関連会社スカイコムを通じてイランと取引をしていたが、孟氏がスカイコムについてファーウェイとは無関係と米金融機関にウソをついたとしている。
国内の中国関連株も下げる
米中貿易や両国の関係をめぐる不透明感を受け、国内では
コマツなどの中国関連株が売られる展開だった。
コマツは144円(5.22%)安の2615円。場中に2600円の年初来安値を付けた。東京エレクトロンは460円(3.17%)安の1万4065円。
日経平均株価は大幅反落。朝方に前週末比500円超下げる場面があった。終値は前日比459.18円安の2万1219.50円。