17日の東京株式市場で大正製薬が小幅に下げて取引を終えた。後場が始まってすぐに、米ブリストル・マイヤーズ・スクイブのフランス子会社の16億ドル(約1820億円)での買収で合意に近づいていることが報じられた。
大正製薬の終値は前週末比40円(0.32%)安の1万2560円。
UPSAの買収交渉に関する報道が午後零時40分頃に伝わると、株価は4%超下げて11月21日以来、およそ1カ月ぶりの安値となる1万2090円を付けた。その後、引けにかけて14日終値付近に戻した。
ブルームバーグが伝えたことろによると、買収の対象は処方箋を必要としないOTC(一般用)医薬品を扱うUPSA。
協議は継続しており、早ければ今週にも合意が発表される見通しという。一方、合意に到達しない可能性も引き続き残されている。
同部門の評価額は約16億ドル(約1820億円)になる可能性がある。
09年にはアジア向けOTC買収
ウェブサイトによると、UPSAは1994年にブリストルマイヤーズに買収された。「ダファルガン」「エフェラルガン」といった鎮痛剤やインフルエンザ治療薬、栄養剤などを販売している。
大正製薬は09年にもブリストルマイヤーズからアジア(日本と中国除く)を対象とするOTC部門を3億1000万ドル(約280億円、当時)で買収している。
大正製薬の2017年3月期連結売上高は2797億7300万円。
日本の製薬大手は引き続き海外M&Aに積極的だ。今月は武田薬品工業によるアイルランドのシャイアーの約460億ポンド(約6兆8000億円)での買収が両社の臨時株主総会で承認されている。
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