エヌビディア(NVDA)、AI普及とGPU需要押し上げの恩恵を受け、メラノックス・テクノロジーズ買収によりデータセンター事業を強化へ
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- 2020/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比5.2%減、純利益が同26.9%減。ただし、前四半期比では売上高が16.9%増、純利益が62.9%増と回復基調。粗利率は前年同期比、前四半期比ともに改善。
- AI技術がクラウドからエッジ・コンピューティングに拡がり、5G・AI・IoTの技術進化がGPUの需要を急速に押し上げた。
- メラノックス・テクノロジーズの買収はデータセンター事業の成長を支援し、製品ポートフォリオ改善と持続的成長を後押ししよう。
What is the news?
11/14発表の2020/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比5.2%減の30.14億USD、純利益が同26.9%減の8.99億USD。ただし、前四半期比では売上高が16.9%増、純利益が62.9%増と業績回復基調が示された。粗利率が前年同期比3.2%ポイント上昇、前四半期比3.8%ポイント上昇の63.6%と収益性が改善した。AI(人工知能)技術がクラウドからエッジ・コンピューティングに拡がり、世界の大部分の産業を変革することへの期待に伴う5G・AI・IoTの技術進化がGPUの需要を急速に押し上げた。特にデータセンターは「会話をするAI」の立ち上がりが成長に寄与した。
セグメント別の売上高は以下の通り。GPU事業が前年同期比7.5%減、前四半期比21.9%増の25.65億USD。自動車、およびゲーム向けSoCを手掛けるTegraプロセッサ事業が前年同期比10.3%増、前四半期比5.5%減の4.49億USD。市場プラットフォーム別の売上高は、ゲームが前年同期比6.0%減、前四半期比26.4%増。プロ設計者向け視覚化が前年同期比6.2%増、前四半期比11.3%増。データセンターが前年同期比8.3%減、前四半期比10.8%増。自動車が前年同期比5.8%減、前四半期22.5%減。OEMその他が前年同期比3.4%減、前四半期比28.8%増。自動車を除いた4市場が前四半期比2桁の増収率となった。特にプロ設計者向け視覚化は前年同期比、前四半期比とも増収となるなど持続的な成長性が示された。
How do we view this?
2020/1期4Q(11-1月)の会社計画は、売上高が28.91-30.09億USD(前年同期:22.05億USD)、粗利率が63.6-64.6%(同:54.7%)。3Q(31.14億USD)からの減収見通しはノートパソコン向けGPUやゲームプラットフォーム向けSoCに関し年末商戦に伴う季節要因による。イスラエルの半導体設計会社メラノックス・テクノロジーズを68億USDで買収する計画がEU規制当局から無条件で承認を得る見通しと2019/12に伝えられた。同社のAI技術との融合によりデータセンター事業の成長を加速させることができれば、ゲームプラットフォームに偏った製品ポートフォリオの改善および持続的な成長に繋がろう。2019/12通期市場予想は売上高が前期比8.0%減の107.73億USD、当期利益が同35.6%減の26.66億USD。
終値(USD)247.94 2020/1/21
会社概要
1993年に設立された半導体メーカーで、ビジュアル・コンピューティングの世界的リーダー。コンピューターの3Dグラフィックス処理や演算処理の高速化を主な目的とするGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)の設計・開発・販売を行っている。同社の製品はゲーム、プロ設計者向け視覚化、データセンター、およびOEM(相手先ブランドによる製造)その他の市場プラットフォームに供給されている。 同社はGPUとTegraプロセッサの2事業セグメントで構成される。GPU事業は、PCゲームおよびPC向けグラフィック技術のGeForceを含むプロセッサーを提供している。製品としてはクラウドゲーム用のGeForce Now、クリエイティブなアプリケーションで作業する設計者向けのQuadro、ディープラーニングのための人工知能(AI)向けのTesla、AI科学者や研究者、開発者向けのDGX、および暗号資産固有のグラフィックス処理ユニットがある。 Tegraプロセッサ事業は、ブランド化されたプラットフォームを有効にするために設計されたプロセッサであるDRIVEとSHIELDを提供している。主な製品は、自動運転機能を提供するDRIVE AGX、インテリジェント医療機器向けのClara AGX、AIコンピューティングプラットフォームであるJetson AGXなどがある。
企業データ(2020/1/22)
ベータ値1.56
時価総額(百万USD)151,739
企業価値=EV(百万USD)144,518
3ヵ月平均売買代金(百万USD)1,751
主要株主(2020/1) (%)
1. VANGUARD GROUP7.60
2. FMR7.54
3. ブラックロック6.57
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公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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