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NY原油が時間外で反発、通常取引では一時18年ぶり安値

・朝方に18%高、株式下落で上げ幅縮小
・20年上期は景気後退、原油は低迷との見方

Source: Bloomberg

18日に急落したNY原油先物相場が日本時間19日の時間外取引で反発。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策の拡大を決めたことを好感して株式相場が朝方に上昇し、原油が買い戻される展開となった。ただ、株式相場が下げに転じたことで、原油は上げ幅を縮めている。

ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場するWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の4月限は18日の通常取引を前日比6.58ドル(24.42%)安の1バレル=20.37ドルで終了した。一時、20.06ドルまで売られ、2002年2月以来18年1カ月ぶりの安値を付けた。

時間外取引では一時、通常取引終値を17.92%上回る24.02ドルまで買われた。その後、株式相場の下げに伴い水準を切り下げたが、現時点でプラス圏にとどまっている。

新型コロナウイルスの感染拡大による需要減少懸念や、サウジアラビアやロシアなど主要産油国の増産による供給過剰懸念が18日の下落の要因。米エネルギー情報局(EIA)が同日発表した週間の石油在庫統計で原油在庫が8週連続で増加したことも需給悪化懸念に拍車をかけた。

ECBは金融市場の不安定化に対応するべく、日本時間19日朝開催の臨時の理事会で新たに7500億ユーロの枠を設け、2020年末までに国債や社債などを購入していく量的緩和策の拡大を決めた。

ECBの決定を受けて米株価指数先物が時間外取引で一時急伸。しかし、景気に対する悲観的な見方は根強く、買いは長くは続かずにその後マイナス圏に沈んだ。

石油銘柄

国内の石油銘柄はまちまち。前引け終値は出光興産<5019>が前日比31円(1.3%)高の2410円。序盤にマイナス圏で取引される場面があったが、その後切り返した。

JXTGホールディングス<5020>は2.2円(0.67%)安の325円。

リセッション予想

新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に相当程度の打撃を与えるとの見方から、市場では原油相場の低迷を予想する声が多い。

モルガン・スタンレーは今週、世界経済について1~3月期と4~6月期はそれぞれ0.3%と0.6%のマイナス成長に陥るとの基本シナリオを明らかにした。2期連続のマイナス成長はリセッション(景気後退)を意味する。

7~9月と10~12月期はそれぞれ1.8%と2.5%のプラス成長を見込むが、2020年通年ではプラス0.9%にとどまるとした。これは世界金融危機以降では最も低い成長率となる。


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