WTI原油が一時20ドル割れ、米の行動自粛継続で
・トランプ氏、行動自粛を4月末まで継続
・米、戦略備蓄積み増し見送り
ニューヨーク原油先物相場が日本時間30日の時間外取引で一時、約1週間ぶりに1バレル=20ドルの節目を割り込んだ。トランプ米大統領が国民に求めている行動自粛の4月末までの継続を発表したことで、世界経済の低迷が長期化するとの見方が強まり、原油を含むリスク資産が売られた。
27日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近の5月限は続落。前日比1.09ドル安の21.51ドルで取引を終えた。
日本時間30日朝に始まった時間外取引では19.92ドルまで下落。20日に付けた19.46ドルの18年ぶり安値に迫った。
日本時間午後5時15分現在、通常取引終値を1.11ドル下回る20.40ドルで推移している。
トランプ氏は29日、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として国民に求めてきた行動自粛要請について4月末まで継続する方針を表明。これまで同12日の復活祭までに経済活動を正常化させたい意向を示していた。
原油需要の見通しについて、国際エネルギー機関(IEA)の幹部は26日、新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)の影響で世界的な原油需要が20%減少する可能性があると明らかにしている。
一方、サウジアラビアとロシアは市場シェアの拡大に向け、価格競争で譲歩しない姿勢。サウジは4月以降、過去最大の日量1230万バレルを供給する意向にあり、投資家は需給の悪化を懸念している。
米国で27日に成立した総額2兆ドルの経済対策に、当初見込まれた原油の戦略備蓄の積み増しが盛り込まれなかったことも売り材料になったもよう。
出光など安い
原油相場の下落を受け、30日の東京株式市場で石油銘柄が下げた。
東証33業種中、石油・石炭製品は値下がり率で4位だった。
コスモエネルギーホールディングス<5021>の終値は前日比80円(5.04%)安の1508円。
出光興産<5019>は116円(4.47%)安の2477円、JXTGホールディングス<5020>は14.9円(3.89%)安の367.8円で取引を終えた。
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