NY金先物が時間外で6年ぶり高値 米が対中追加関税発表
・一時1461.90ドルまで上昇
・ドル安も支援材料
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場が時間外取引で上昇している。トランプ米大統領が日本時間2日未明、ほぼすべての中国製品に関税を課す「対中制裁第4弾」を9月に発動すると発表したことを受けてリスク回避目的の買いが集まり、2013年5月以来の6年3カ月ぶりの高値を付けた。
COMEXで取引の中心である期近12月限は1日の通常取引で続落。前日比5.4ドル(0.38%)安の1トロイオンス=1432.40ドルで引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が7月31日に政策金利の引き下げを決定した後、追加利下げ観測を後退させる見解を表明したことを受けてドルが買われ、ドル建てで取引される金に割高感が生じたことが背景にある。
しかし、時間外取引では状況が一変し、金は日本時間2日午前に1461.90ドルまで買われた。
伝統的に金や日本円は安全資産としてみなされ、リクスが高まった時に買われる傾向がある。ドルが急速に下落したことも金を支えた。
対中制裁
トランプ氏は自身のツイッターに「対中協議は3カ月前にディールしかけたが、中国は再交渉を決定した。巨額の農産品を購入すると約束したが、それも実行しない」と投稿した。
対中制裁第4弾の発動日は9月1日。制裁対象は約3000億ドル分で関税率は10%。
米中両国は7月30日から2日間、中国・上海で閣僚級貿易協議を開催したが、実質的な進展がなかったとみられる。
米消費者物価
対中制裁第4弾には、スマートフォンやテレビといった多くの生活必需品が対象に含まれており、米国の消費者にも直接影響が及ぶ可能性が高い。
これまでの関税は主に生産財や中間財に対して課されており、消費者物価に直接的な影響は及び難かった。また、関税によるコストの大半は中国企業が負担し、米国の消費者にはさほど転嫁されていなかった。
しかし、今回の制裁では米国の消費者が直接打撃を受けることから、物価が向こう数カ月で押し上げられる可能性がある。こうした見方もインフレに強い金の買い材料だ。
NY金12月限 60分足チャート (出所: IG証券)
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。