NZドル・円が5週間ぶり高値、利下げあと1回との見方で 豪ドルも高い
・RBNZ、次回会合で0.25%利下げとの観測
・中国の景気刺激策強化に期待
18日の外国為替市場でニュージーランドドルが円や米ドルなどの主要通貨に対して上昇している。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る条件を修正することで当事者双方が合意したことや、中国政府が景気対策を強化するとの期待から、ニュージーランドの景気は底入れし、利下げは年内のあと1回をもって当面打ち止めとなる可能性があるとの見方が浮上した。
NZドルの対円相場は日本時間午前中に69円台前半に上昇。この数日間に幾度か突破を試みた69円の節目を越えて、9月13日以来5週間ぶりの高値を付けた。午後もこの日の高値付近で堅調に推移している。
NZドルの対米ドル相場も上昇。0.63米ドル台後半まで上昇し、9月16日以来の高値を付けた。
豪ドルも上昇
豪ドルもまた主要通貨に対して上昇している。
豪ドルの対円相場は17日の欧州での取引で9月13日以来の高値となる74.39円付近まで買われており、その後も米国や18日のアジアでの取引を通じて74円台前半を維持している。
豪ドルの対米ドル相場は日本時間午前中に0.6838米ドル付近まで上昇。9月18日以来の高値を付けた。
NZ追加利下げ観測
ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)は9月25日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1%に据え置くと発表。「インフレ目標や雇用を維持し景気を支えるため、一層の財政刺激、金融緩和の余地がある」との声明を発表した。8月の前回会合では0.5%の利下げを決定している。
中銀のスカンド副総裁は今月16日、統計局が7~9月期の消費者物価指数(CPI)を発表した後の講演で、追加利下げが必要になるかもしれないとの見方を示した。
7~9月期のCPIは前年比1.5%の上昇となり、前期の同1.7%から伸びが鈍化した。
市場は中銀が11月13日の次回会合で0.25%の利下げを行う可能性が高いとする一方、住宅価格の底入れや堅調な商品相場を受け、その後の金融政策について再検討している。
中国GDP
中国国家統計局が日本時間午前11時に発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比6.0%増となり、市場予想の6.1%増を下回った。
米中貿易摩擦の影響による製造業の低迷を受け、1992年の四半期統計開始以来、最低の水準となった。
一方、同時に発表した9月の鉱工業生産は前年比5.8%増となり、市場予想の5.0%増を上回った。
9月の小売売上高は前年比7.8%増と、予想と一致した。
GDPの低迷を受け、中国政府が景気刺激策を強化するとの期待が市場で膨らんだ。
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