オクタ(OKTA)、ビジネスのクラウド化進展により、ユーザー利便性と安全なデータ保管のためのID管理サービスの需要増へ
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BLOOMBERG OKTA:US | REUTERS OKTA.OQ
- 2019/12期4Q(2019/11-2020/1)は、売上高が前年同期比44.9%増、粗利率が同1.2%ポイント上昇、調整後純利益が赤字幅縮小だった。
- サブスクリプション契約に係るRPOが同66%増、計算上の請求額が同42%増、売上継続率が119%、期末の顧客企業数が同30%増。
- ビジネスのクラウド化の進展に伴い、ユーザー利便性と安全なデータ保管のための同社の企業向けID管理サービスの需要が高まろう。
What is the news?
3/5発表の2020/1期4Q(2019/11-2020/1)は、売上高が前年同期比44.9%増の1.67億USD、売上総利益が同45.9%増の1.22億USD、純利益が前年同期の▲3,081万USDから▲5,047万USDへ赤字幅拡大。ただし、粗利率が同1.2%ポイント上昇の77.6%、Non-GAAPの調整後純利益が前年同期の▲435万USDから▲174万USDへ赤字幅縮小、フリーキャッシュフロー(FCF)が同3.8倍の1,814万USDとなった。継続課金のサブスクリプション収入が同46.1%増の1.58億USD、売上構成比が同0.8ポイント上昇の94.7%となり、将来の収益計上が見込める継続課金に係るキャッシュフロー収入が堅調に伸びた。
サブスクリプション契約に係る業績は以下の通り。サブスクリプション収入の受注残に相当する残存履行債務(RPO)が前年同期比66%増の12.1億USD(その内、12ヶ月以内に収益計上されるRPOが同54%増の5.92億USD)、請求書の発行金額を示す計算上の請求額(Calculated Billings)が同42%増の2.25億USD、12か月前の顧客企業に係る継続課金額の増加率を示す売上継続率が119%と堅調に伸びた。2020/1期末の顧客企業数は同30%増の7,950社(その内、年間契約金額が10万USDを超える企業数が同41%増の1,467社)となった。
How do we view this?
2021/1通期の会社計画は、売上高が前期比31-33%増の7.70-7.80億USD、調整後営業利益が▲6,500-▲5,700万USD(前期実績:▲4,850万USD)、調整後EPSが▲0.42-▲0.37USD(同:▲0.31USD)である。様々なクラウドサービスを利用する企業が増加するのに伴い、個々のサービスごとに異なるIDとパスワードを設定する不便さを解消すると同時に、クラウドに保管されている企業の重要なデータを保護するためにIDとパスワードを安全に管理する需要の高まりが見られる。同社の企業向けID管理サービスは様々なビジネスのクラウド化の流れの恩恵を受けるものと見込まれるよう。また、新型コロナウイルスの影響に伴う在宅勤務の普及がクラウドサービスの需要を押し上げ、同社の追い風になると期待されよう。2021/1通期の市場予想は売上高が前期比31.6%増の7.71億USD、当期利益が前期の▲2.08億USDから▲2.37億USDへ赤字幅拡大。
配当予想(USD) 0.00 (予想はBloomberg)
終値(USD) 128.12 2020/4/6
会社概要
2009年設立のインターネット・アプリケーション・ソフトウェア開発企業。社内外や端末問わず同一のIDで様々なアプリケーションを安全に利用できるようにするためのクラウドサービス「Okta Identity Cloud」を通じ、企業向けID管理サービスを提供する。
同サービスが提供する機能は、①ユーザーが自分のユーザー資格情報を1回入力するだけで、様々なデバイスからアプリケーションにアクセスできるシングルサインオン、②クラウド・モバイル・ウェブアプリケーション、およびデータに対してセキュリティの追加レイヤーを提供し、本人確認のために複数の要素をユーザーに要求する認証方式である適応型多要素認証、③IT担当部署や開発者が中長期的にユーザーIDを管理できるようにするライフサイクル管理、④組織がAPI(アプリケーション・インターフェイス)を保護できるようにするAPIアクセス管理などである。
企業データ(2020/4/6)
ベータ値 0.92
時価総額(百万USD) 15,730
企業価値=EV(百万USD) 15,431
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 234.0
主要株主(2020/4) (%)
1.モルガン・スタンレー 9.09
2.VANGUARD GROUP 8.81
3.FMR 8.71
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
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