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【ユーロドル (EUR/USD)】下値の焦点は1.08の維持、上値の焦点は1.0920レベルの攻防

短期金融市場では、3月のECB理事会での利下げ確率が20%を割り込んできた。24年の予想推移も全般的に上方に修正されている。しかし、現在のユーロドル(EUR/USD)は米ドル高の圧力に直面し上値の重い状況にある。目先の見通しは?注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・短期金融市場では、3月理事会での利下げ確率が20%を割り込んできた
・しかしユーロドルは、米ドル高の圧力に直面し上値の重い状況にある
・下値トライの状況が続く場合は、1.08の維持が焦点となろう
・一方、ユーロドルが反発する場合、まずは1.0920レベルのトライに注目したい


3月の利下げ確率が後退しても上値の重い状況に

短期金融市場が想定する欧州中央銀行(ECB)の3月利下げ確率は20%を割り込んできた。

昨年末(23年12月29日)の時点で50%台にあったこと、そして全体の予想推移も上方に修正されている状況も考えるならば、今の短期金融市場の動きはユーロ買いの要因となってもおかしくない。

欧州中央銀行 政策金利の予想推移:昨年末と直近の比較

欧州中央銀行 政策金利の予想推移:昨年末と直近の比較 ブルームバーグのデータで作成 / 直近:1月19日 10時時点の予想


しかし、直近のユーロドル(EUR/USD)の動向を日足チャートで確認すると、短期のレジスタンスラインを形成しながら、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.0875レベルを下方ブレイクする局面が見られている(2番目の日足チャートを参照)。

そしてユーロ相場の年初来パフォーマンスを確認すると、他の主要国通貨ではユーロ高優勢の状況が見られる。

それでもユーロドルが下落している要因は、根強い米ドル高の圧力にあると考えられる。

ユーロ相場の動向:年初来

ユーロ相場の動向:年初来 TradingViewが提供するチャートで作成

下値トライの局面では1.08の維持が焦点に

目先のユーロドル(EUR/USD)は、こちらのIG為替レポートで取り上げた米経済指標(特に期待インフレ率)で上下に振れる展開が予想される。

米経済指標が米金利のさらなる押し上げ要因となる場合、ユーロドルはサポート水準として意識されている1.0850レベルを完全に下方ブレイクする展開を想定しておきたい(下のチャート、緑矢印を参照)。

上の状況が確認される場合は、1.08の維持が焦点として浮上しよう。1.0794レベルは、昨年の10月3日安値と12月28日高値の半値戻しの水準にあたる。

また、現在は短期サポートラインが1.08レベルと交錯する。テクニカルの面でも1.08レベルの維持は、下値トライの局面で重要な焦点となろう。

ユーロドルのチャート:日足 23年9月以降

ユーロドルのチャート:日足 23年9月以降 TradingViewが提供するチャートで作成

反発の局面では1.0920レベルの攻防が焦点に

日足のストキャスティクスは売られ過ぎの水準で推移し、直近は反発のムードにある(上のチャート、緑矢印を参照)。

このタイミングで今日の米経済指標が米金利の低下要因となる場合は、ユーロドルの(EUR/USD)の反発を想定しておきたい。

実際にユーロドルが反発する場合、最初の焦点は1.0920前後の攻防となろう。この水準を挟んで今日現在、50日線と10日線が推移している(上の日足チャートを参照)。

なお、本日ユーロドルが1.0920レベルをトライするシグナルとして1.0905レベルの攻防に注目したい。この水準は半値戻しの水準にあたり、昨日の欧州時間の序盤に相場の戻りを止めた経緯がある(下のチャート、赤矢印を参照)。

ユーロドルが1.0905レベルを突破する場合は、1.0920レベルのトライを想定しておきたい。

ユーロドルが10日線を完全に上方ブレイクする場合は、レジスタンスの水準へ転換する可能性のある1.0935レベルの攻防となるかどうか?この点に注目したい。

ユーロドルがこの水準(1.0935レベル)をも突破する場合は、来週以降、今日現在1.0966レベルで推移している21日線までの戻りを想定しておきたい。

ユーロドルのチャート:1時間足 1月12日以降

ユーロドルのチャート:1時間足 1月12日以降 TradingViewが提供するチャートで作成

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