ユーロ円の見通しとテクニカル分析について
日欧の金融政策スタンスの差が意識されユーロ円の上昇幅が拡大している。だが、上昇の勢いに陰りが見え始めている。今週のユーロ円の見通しは?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今週の外為市場とドル円の展望についてはこちらのレポートをご覧ください
調整の反落相場を警戒する1週間
クロス円では、植田総裁の就任会見後に上昇幅が拡大しているユーロ円(EURJPY)に注目したい。
通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、急速にユーロ・プットへ傾いていることがわかる(下のチャート赤ゾーンを参照)。また、MACDのトレンドを確認すると、横ばい推移へ転じるムードにある(日足のテクニカルチャートを参照)。
昨年10月の下旬に相場の上昇を何度も止めた147.75レベルが再びレジスタンスとして意識されている状況やドル円(USDJPY)で反落ムードが漂っていることも考えるならば、今週のユーロ円は調整の反落相場を警戒しておきたい。
ユーロ円とリスクリバーサルのチャート
下落局面でのチャートポイント
ドル円(USDJPY)が続落する場合、またはリスク回避の米ドル買いでユーロドル(EURUSD)の下落幅が拡大する場合、ユーロ円(EURJPY)は先週21日の下落局面で相場をサポートした10日MA(146.88レベル)および146.72レベルをブレイクする展開を想定しておきたい。
ユーロ円が下落した後、10日MAと146.72レベルで相場の反発が止められる場合は、145.50レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。実際にこの展開となる場合は、145.50レベルが “サポート転換” に成功するかどうか?この点を確認したい。
ユーロ円が145.50レベルで反発する場合は、この水準を目先のサポートポイントとして想定する局面にシフトするだろう。
一方、ユーロ円が145.50レベルをもあっさりと下方ブレイクする場合は、21日MAの攻防が次の焦点として浮上しよう。この移動平均線は今日現在、145.23レベルで推移している。
ユーロ円の日足チャート
上昇局面での注目ポイント
一方、ユーロ円(EURJPY)が上昇トレンドを維持する場合は、上で述べた昨年10月下旬のレジスタンスポイント147.75レベルの攻防が焦点となろう。
15分足チャートでユーロ円のトレンドを確認すると、すぐ上の147.80レベルで何度も上昇が止められている。冒頭で述べたリスクリバーサルの動向(ユーロプット)も考えるならば、ユーロ円の上昇局面では147.75-80ゾーンでの反落を常に警戒しておきたい。先週21日の戻り高値147.55レベルのブレイクは、147.75-80ゾーンをトライするシグナルと想定しておきたい。
ユーロ円が上のレジスタンスゾーンの突破に成功する場合は地合いの強さを市場参加者に意識させ、新たな展開が発生する可能性-例えば、22年10月21日の高値148.40レベルを視野にユーロ円の上昇幅がさらに拡大する可能性が出てくる(上の日足チャートまたは下の15分足チャートを参照)。
ユーロ円のチャート
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