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米ドル買いと円買いが交錯するもドル円は底堅さを維持、今日の展望は?

ドル円は139円台を目指す状況にある。しかし、139円の突破に失敗し続ける状況が続く場合は反落相場を警戒したい。今日のドル円の展望は?注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・23日の外為市場はリスク回避相場を受け米ドル買いと円買いが交錯する展開となった
・ドル円は短期サポートラインを形成しながら139円を目指す状況が続く
・しかしドル円が137.20レベルを完全にブレイクする場合は焦点がシフトしよう


米ドル買いと円買いが交錯

23日の外為市場は、米ドル買いと円買いが交錯する展開となった。

米政府の債務上限問題を巡りバイデン米政権と野党共和党の協議が続いているが、未だ合意には至っていない。また、イエレン米財務長官が示した「Xデー」の根拠について野党共和党内では不信感が広がっている。

債務上限問題の不透明感が高まるなか、23日の主要な世界の株価指数は軒並み下落した。米国の株式市場では、強気相場を鮮明にしているナスダック総合指数と100指数(NDX)がともに前日比で1.2%以上下落する展開となった。

リスク回避相場(株安)を受け、外為市場では米ドル買いの圧力が高まり、ドルインデックス(DXY)は103.65まで上昇し、先週18日の高値103.62レベルを一時突破する局面が見られた。

米ドル相場の動向:5月23日

米ドル相場の動向:5月23日 基準日:5月22日


昨日のリスク回避相場は円買いの圧力も高め、クロス円を中心に円高優勢の展開となった。ドル円(USDJPY)は米ドル買いと円買いの圧力が交錯し上下に振れる展開となるも、138円台で底堅さを維持した状況を考えるならば、139円を目指す強気相場を維持している。

円相場の動向:5月23日

円相場の動向:5月23日 基準日:5月22日

ドル円の展望とテクニカルポイントについて

139円を目指す状況が続く

ドル円(USDJPY)は139円を前に上値の重さが見られる。しかし、1時間でトレンドを確認すると、短期サポートラインを維持しながら、下値の水準が徐々に切り上がっていることが分かる。ドル円がこのラインを下方ブレイクしても、先週19日と22日の反落時に相場をサポートした137.40-50のサポートゾーンを下方ブレイクしない限り、139円台を目指す展開を意識したい。

一方、調整の反落相場を受けてドル円が短期サポートラインを完全に下方ブレイクする場合、137.40-50のゾーンをトライするシグナルとして直近高安のフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準138.14レベルでの攻防に注目したい。この水準での攻防は、138円台維持の攻防でもある。ゆえに、このテクニカルポイントでドル円が反発する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。

上で述べた各サポートポイントをドル円がトライする際に、ストキャスティクスで売られ過ぎのシグナルが点灯している場合は、短期的な押し目買いを狙いたい。

ドル円のチャート:1時間足

ドル円のチャート:1時間足 TradingView:5月16日以降


139円が強固なレジスタンスとなる場合の焦点は

ドル円(USDJPY)のリスクリバーサルの動向を確認すると、にわかにドルプットへ傾くムードにある。一方、予想変動率はジワリと上昇している。これらの動きは、直近のドル円の上昇トレンドとかい離している。

ゆえにドル円が139円をトライしても、この水準が強固なレジスタンスとして相場の上昇を止める場合は、上で述べたサポートポイントを下方ブレイクする展開(調整の反落相場)を想定しておきたい。

このケースで特に重要な焦点は、137円ミドル(137.40-50ゾーン)の攻防である。ドル円がこの水準を完全に下方ブレイクする場合は下落幅の拡大を警戒し、下で述べるテクニカルポイントでの攻防に注目したい。

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率のチャート:日足

ドル円のチャート:日足 年初来 / 1M:1ヶ月, 3M:3ヶ月


焦点がシフトする分岐点は137.20レベル

ドル円(USDJPY)の地合いの強さを示すシグナルとして、10日MA(今日現在137.24レベル)と200日MA(今日現在137.17レベル)でのゴールデンクロスが挙げられる。これら移動平均線は今日現在、137.20レベルを挟んで推移している。200日MAは3月上旬に相場の上昇を止めた経緯がある。ゆえに137.20前後でドル円が反発する場合は、200日MAの“サポート転換”のシグナルとなろう。

一方、ドル円が2つの移動平均線(137.20レベル)をも完全に下方ブレイクする展開となれば、焦点は139円台への上昇から新たなサポート水準の見極めにシフトしよう。

このケース(137.20ブレイク)での最大の焦点は、今年3月24日の安値129.64レベルを起点とした短期サポートラインの維持である。現在の上昇トレンドを象徴するこのラインの下方ブレイクは、トレンド転換の強いシグナルとなるからだ。

短期サポートラインを目指すシグナルとして、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準136.72レベルと21日MA(今日現在136.11)レベルの攻防に注目したい。

なお、短期サポートラインは来週30日にフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準135.37レベルを交錯する。

ドル円のチャート:日足

ドル円のチャート:日足 TradingView:23年3月以降

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