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戻り高値の水準を見極める状況にあるドル円 / 注目しておきたいチャートポイントについて

日本株の反発に連動し、ドル円の下落基調が一服している。株式の動きに影響を受けている現在の状況を考えるならば、今のドル円の焦点は戻り高値の水準を見極めることにある。目先、注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※ポンドドルの分析レポートについてはこちらをご覧ください


サマリー

・日本株の反発を受けドル円は円高が一服し、次のトレンド発生を待つ状況にある
・目先のドル円は戻り高値の水準を見極めることが焦点に
・ドル円の上昇局面では139.40レベルの突破に注目したい
・ドル円の反落局面では138.00のレジスタンス転換が焦点に


日本株に連動するドル円

ドル円(USD/JPY)は現在、円高基調が一服し、新たなトレンドの発生を待つ状況にある。

円高が一服した(ドル円の下落がひとまず止まった)要因のひとつが、国内の株式市場の動向である。先週12日に日経平均(NKY)と東証株価指数(TOPIX)が反転して以降、株高トレンドへ回帰するムードにある。

この動きに連動し、ドル円も反発基調にあることが分かる。

国内株式とドル円のチャート

国内株式とドル円のチャート ブルームバーグのデータをもとに作成 /日足:23年5月以降

上下のチャートポイント

上昇局面では139.40レベルの攻防が焦点に

今日も日本株は反発基調を維持している。インフレの鈍化と米利上げサイクルの終了が意識され米国株も上昇幅が拡大している。

米金利の低下基調は、ドル円(USD/JPY)の上昇を抑制する要因である。しかし現在のドル円は、日米株式の動きに敏感に反応する地合いにある。よって、日米の株式市場が大きく崩れるか米金利との連動性が戻らない限り、現在のドル円の焦点は「戻り高値の水準を見極める」ことにある。

ドル円の上昇局面で注目すべきは、139円前半の攻防である。先週14日の高値は139.16、17日の高値は139.41、そして昨日の高値は139.19だった(いずれもIGレート)。

ゆえにドル円の上昇局面では、139.15-40ゾーンの突破が目先の焦点となろう。特に139.44レベルはフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたるため、ドル円がさらに上値をトライするかどうか?の分岐点として、139.40台での攻防をより注視しておきたい。

なお、今日の東京時間にドル円は、高値139.33レベルまで上昇する局面が見られた(レポート掲載時点)。


140円前後では反落を警戒しておきたい

しかし、ドル円が139.40台を完全に突破しても、現在の米債市場の動き(米金利の低下基調)を考えるならば反落リスクを常に意識しておきたい。

今日現在、139.95前後には10日MAとEMAが推移している。一方、140.12レベルは半値戻しの水準にあたり、かつ今月11日の欧州時間に相場をサポートした経緯がある。140.00レベルを挟んで展開しているこれらテクニカルポイントの水準を考えるならば、140.00前後をレジスタンスゾーンと想定しておきたい。

ドル円のチャート:4時間足

ドル円のチャート:4時間足 IGチャート:6月下旬以降


米金利の低下とドル円の下落

現在の外為市場では、円高だけでなく米ドル安のトレンドも一服している。しかし、米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は、節目の100ポイント以下で推移しており戻りの力は弱い(詳細はこちらのレポートを参照)。米ドル相場の反発が抑制されている要因は、米金利の低下基調にある。

上で述べたとおり現在のドル円は、日本株の動きに影響を受けている。しかし、本来ならばドル円のトレンドに大きな影響を与えるのは日米利回りの格差である。

今後、米金利が低下基調を辿る可能性が高いこと、そして植田日銀が政策を修正する可能性があることも考えるならば、今後のドル円は、日米利回り格差の縮小による下落相場を意識する必要がある(下チャートのグレーゾーンを参照)。

日米利回り格差とドル円のチャート

日米利回り格差とドル円のチャート ブルームバーグのデータをもとに作成 / 日足:年初来


下値トライの局面では138.00レベルの攻防が焦点に

現在、ドル円(USD/JPY)の下落局面では138.00レベルがサポートポイントとして意識されている。

昨日は安値137.68レベルまで下落する局面が見られた。しかし、日足ローソク足では長い下ヒゲが示現し、ローソク足の実体ベースでドル円は138円台の維持に成功した。

17日にも同じような状況が見られたことを考えるならば、IG為替レポートで指摘している「138.00レベルのレジスタンス転換」が確認される場合は、新たな米ドル安・円高のトレンドが発生するシグナルと想定したい。

なお、ドル円が再び137円台の攻防となる場合は、今年3月の安値129.64レベルと6月の高値145.07レベルの半値戻しの水準137.36レベルの攻防に注目したい。今月14日に安値137.24レベルまで下落する局面が見られたが、長い下ヒゲが示現し137.30前後での底堅さが示唆された。

ドル円のチャート:日足

ドル円のチャート:日足 IGチャート:23年2月以降

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