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【ドル円 (USDJPY)】焦点は9月の米雇用統計 / 今日の見通しとチャートポイント

今週の米債市場は、雇用関連の経済指標が材料視されている。今日は9月の米雇用統計の内容で米金利と米ドル相場は上下に振れることが予想される。ドル円の見通しは?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・現在の米債市場は、雇用関連の経済指標に反応する状況にある
・次回FOMCの動向を考える上でも、9月の米雇用統計は重要な材料に
・反落ムードが漂うドル円、21日線をブレイクする場合は下値トライを警戒
・ドル円の反発局面で注目しておきたいチャートポイントについて


今日の注目材料は9月の米雇用統計

米労働省が5日に発表した9月30日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は2000件増の20.7万件と、市場予想の21.0万件を下回った。4週移動平均は低下のトレンドにあり、依然として米国の労働市場が底堅い状況にあることを示唆している(下チャートの赤ラインを参照)。

新規失業保険申請件数の発表後、米長期金利は上昇する局面が見られた。しかし9月の米雇用統計を控えていることもあり、上昇幅は限定的だった。

米新規失業保険申請件数の推移:週次 22年以降

米新規失業保険申請件数の推移:週次 22年以降 米労働省とブルームバーグのデータのデータをもとに作成


今日の注目材料は、9月の米雇用統計(以下、9月雇用統計)となろう。直近の市場予想は以下のとおりである(下のバーチャートとラインチャートを参照)。

今週の米債市場は、雇用関連の経済指標で上下に振れている。

そして連邦準備制度理事会(FRB)の要人らは金融政策の方向性を決める材料の一つとして、労働市場の動向を注視している。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)が10月31日-11月1日に開催されることも考えるならば、9月雇用統計は次回FOMCの動向を見極める上で重要な材料となろう。

焦点は、賃金インフレを伴う雇用の増加が確認されるかどうか?この点にある。この状況が確認される場合は、米長期金利の上昇を想定しておきたい。米長期金利の上昇は米ドル買いの要因となろう。

一方、非農業部門雇用者数変化や賃金の伸び(またはこれら両方)が市場予想を下回る場合は、米長期金利の低下と米ドル安優勢の展開を想定しておきたい。

しかし、現在の米債市場では景気の底堅さ、金融引き締め政策が長期化する可能性、そして財政のリスクが意識される状況にある。

ゆえに9月雇用統計で米長期金利が低下しても、その持続性は来週以降の経済指標とFRB要人の言動次第となろう。

米雇用統計 各項目の動向:月次 22年9月以降

米雇用統計 各項目の動向:月次 22年9月以降 米労働省とブルームバーグのデータのデータをもとに作成 / 紫バーチャート・ドット:9月予想

ドル円、今日の見通しとチャートポイント

21日線をトライする状況に
5日のドル円(USD/JPY)は下値トライの展開となり、148.20台まで下落した(安値148.26レベル)。

テクニカルの面では、IG為替レポートで何度も取り上げている21日線をトライする状況が見られた。この移動平均線は今日現在、148.30レベルまで上昇している。

ドル円とのチャート:日足 23年7月以降

ドル円とのチャート:日足 23年7月以降 TradingView提供のチャートで作成


通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、1ヶ月のそれがドル・プットへ傾く状況にある(下チャートの赤ラインを参照)。3ヶ月のそれも緩やかではあるが、同じ状況にある(下チャートの紫ラインを参照)。

これらの動きに遅れて、ドル円もジワリと調整の反落ムードが漂っている。9月雇用統計で労働市場の軟化が示される場合は、ドル円の21日線ブレイクを想定しておきたい。

ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足 23年5月以降

ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足 23年5月以降 ブルームバーグのデータをもとに作成


さらなる下値トライとなる場合の焦点は?
日足のストキャスティクスでは下値トライを意識する状況にある。そしてMACDでは、デッドクロスが示現している(ともに上のTradingView日足チャートを参照)。上で述べたリスクリバーサルの動向も考えるならば、9月雇用統計が「米長期金利の低下→米ドル安」の要因となる場合は、ドル円(USD/JPY)の148円割れを警戒したい。

ドル円が147円台の攻防へシフトする場合は、IG為替レポートで注目している147.30レベルのトライおよびその維持が焦点となろう。この水準はフィボナッチ・リトレースメント23.6%にあたり、かつ今週3日の急落を止めた経緯がある(上のTradingView日足チャートを参照)。

反発局面での焦点は?
一方、9月雇用統計が米長期金利の上昇要因となる場合は、米ドル買いによるドル円(USD/JPY)の反発相場を予想する。

ドル円の反発局面で最初に注目すべきは、10日線の攻防である。今日現在、149.07前後で推移しているこの移動平均線がレジスタンスへ転換する場合は、上で述べたサポートポイントのトライを想定しておきたい(上のTradingView日足チャートを参照)。

また、すぐ上の水準149.15レベルの攻防にも注目したい。今週3日の急落後にこの水準(149.15レベル)は、相場の戻りを止める局面が見られる(下の15分足チャートを参照)。

ドル円が10日線と149.15レベルを完全に突破する場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準149.47レベル(149円ミドル)を確実に突破してくるかどうか?この点が次の焦点となろう。

9月雇用統計の内容を受け、ドル円が149円ミドルをも難なく上方ブレイクする場合は、150.00の再トライを想定しておきたい。このケースでは、今週3日の高値150.16レベルのトライおよびブレイクアウトに注目したい。

また、ドル円が150円台へ上昇する場合は、150.00レベルがレジスタンスからサポートの水準へ転換するかどうか?この点を確認することも重要な焦点である。

ドル円のチャート:15分足 10月3日以降

ドル円のチャート:15分足 10月3日以降 TradingView提供のチャートで作成

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