【ドル円 (USDJPY)】今日の見通しとチャートポイント
複数の要因が重なり、米債市場では長期金利が2007年7月以来となる4.92%台まで上昇する局面が見られた。中東リスクと原油高が進行する可能性も考えるならば、米金利は現在の状況を維持する公算が大きい。ドル円は150.00レベルを意識する状況にある。今日の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・複数の要因が重なり、米金利の上昇幅が拡大している
・今日は新規新規失業保険申請件数とパウエルFRB議長の発言が変動要因に
・ドル円の焦点は、150.00レベルのトライと突破で変わらず
・ドル円の反落局面では、21日線の維持が焦点となろう
150.00レベルを目指す状況が続く
こちらのレポートで取り上げたとおり、米債市場では景気の底堅さ、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め政策の長期化、さらに中東リスクによる原油高の懸念や米債需給に対する不透明感が意識され、10年債利回りが2007年7月以来となる4.92%台まで上昇する局面が見られた。
一方、2年債利回りは5.2%台の水準に到達。米金融引き締め政策の長期化を市場参加者が強く意識していることを示唆する状況にある。
米金利の上昇は米ドル高トレンドを支えている。この状況が続く限り、ドル円(USD/JPY)の焦点は、節目の150.00レベルのトライそしてブレイクアウトにある。
今日もいくつかの米経済指標が発表される。注目は新規失業保険申請件数となろう。
9月の小売売上高では個人消費の底堅さが確認された。新規失業保険申請件数で労働市場の底堅さが確認される場合は、パウエルFRBが政策金利を長期にわたり高水準で維持する観測が高まることで米金利の高止まり、またはさらなる上昇が予想される。
10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数や9月の景気先行指標総合指数も材料視される可能性がある。
「労働市場や景気の底堅さを示す経済指標→米金利の上昇→米ドル買い」を受け、ドル円が昨日の高値149.94レベルを突破する場合は、150.00トライのシグナルと想定しておきたい。
ドル円が150円台へ上昇する場合は、今月3日の高値150.16レベルのトライおよび上方ブレイクに注目したい。また、150.00レベルがサポートの水準へ転換するかどうか?この点も重要な焦点となろう。
反落の局面では21日線の攻防が焦点に
日足のストキャスティクスでは、短期的な相場の過熱感を示唆する状況にある。また、150.00レベルでは円買い介入に対する警戒感も高まることが予想される。
150.00レベルでドル円(USD/JPY)が反落する場合は、21日線の維持が焦点となろう。この移動平均線は17日の下落局面で相場をサポートした。その結果、日足ローソク足では長い下ヒゲが示現した。
今日現在、この移動平均線は149.14レベルまで上昇している。つまりこの移動平均線の攻防は、ドル円が149円台を維持できるかどうか?を見極めるための攻防でもある。
短期サポートライン(今日現在149.60レベル)の下方ブレイクは、ドル円が21日線をトライするシグナルと想定しておきたい。
ドル円のチャート:日足 23年7月以降
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