【ドル円 (USDJPY)】今日の見通しとチャートポイント
米債市場では利回りの上昇基調が続いている。10年債利回りは、節目の5.0%を視野に上昇幅が拡大している。米金利の上昇と日米利回り格差の拡大傾向を考えるならば、ドル円は150.00レベルのトライと上方ブレイクを意識する状況にある。今日の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米債市場では、長期金利が節目の5.0%目前まで上昇している
・米金利の上昇に追随できないドルインデックスは次第にレンジ相場のムードに
・ドル円は150.00レベルを意識する状況が続く
・ドル円が反落しても、円買い介入以外の理由ならば下落幅は限定的となろう
強い経済指標と米長期金利の動向
強い内容が続く米国の経済指標
米労働省が発表した10月14日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、19万8000件と、今年1月以来の低水準となった。4週移動平均も労働市場の底堅さを示すトレンドにある。
9月の小売売上高では個人消費の底堅さが確認された。新規失業保険申請件数で労働市場の底堅さも確認されたことで、連邦準備制度理事会(FRB)が長期にわたり政策金利を高水準で維持する可能性を各市場の参加者は意識せざるを得ない状況にある。
米国 新規失業保険申請件数の推移:週次 22年以降
米国の10年債利回りは節目の5.0%が視野に
米国経済の底堅さを示す経済指標の内容が続いていることを受け、19日の米債市場では10年債利回り(長期金利)が一時4.992%まで上昇した。中東情勢の緊迫化を受け、原油先物価格が上昇基調にあることも考えるならば、長期金利は節目の5.0%突破を意識する状況にある。
一方、米30年債利回りは昨日、5.1%台の水準へ到達した。10年債利回りの動向も考えるならば、米債市場では長期債の需要に対する懸念が利回りの押し上げ要因になっていることを示唆している。
米金利のチャート:日足 2005年以降
ドルインデックスの上昇幅は限定的
米金利の上昇は、米ドル相場のサポート要因である。
しかし、IG為替レポートで指摘しているとおり、米金利の上昇幅が拡大しても、米ドル相場のトレンドを表すドルインデックス(DXY)の上昇幅は次第に限定的となっている(下チャートの赤ゾーンを参照)。
現状、ドルインデックスは短期サポートラインを維持している。その一方では、106ポイント台を中心にレンジ相場へシフトするムードにもある。米金利が上昇基調を維持している現在の状況を考えるならば、目先、米ドル高トレンドから米ドル安トレンドへ転換する可能性は低いだろう。ゆえに、目先のドルインデックスは107ポイント台への上昇と、直近の高値107.35レベルのトライを意識する局面にある。
しかし、米金利の上昇にドルインデックスが追随できない展開が続く場合は、米ドル高トレンドの転換が次第に近づいているシグナルの一つとして警戒しておきたい。
ドルインデックスが反落する局面では、10月上旬の反落相場を止めたフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準105.51レベルの攻防に注目したい。この水準で何度も相場が反発する場合は、ドルインデックスの上昇幅が抑制されても、上で述べたレンジ相場へシフトする可能性が次第に高まることが予想される。
一方、ドルインデックスが105.51レベルをも完全に下方ブレイクする場合は、テクニカルの面で米ドル高トレンドの転換が近づいているシグナルがひとつ点灯した、と捉えたい。
ドルインデックスのチャート:日足 23年7月以降
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
150.00の攻防を意識する状況が続く
昨日のドル円(USD/JPY)は、149円後半で売り買いが交錯する展開となった。
上で述べたとおり、米債市場では長期ゾーンの利回りが上昇基調を維持している。国内の長期金利もジワリと上昇してはいるが、米金利の上昇幅拡大を受け、日米の利回り格差は拡大の傾向にある。この状況を考えるならば、今日のドル円も150.00レベルの攻防を意識したい。
ドル円が150円台へ上昇する場合は、今月3日の高値150.16レベルの突破と150.00前後がサポートの水準へ転換するかどうか?これらの状況を確認したい。
日米の長期金利の格差とドル円のチャート:日足 23年3月以降
150円台の攻防で注目しておきたいチャートポイントは?
ドル円(USD/JPY)が150円台の攻防へシフトする場合は、上で述べた今月3日の高値水準150.16のブレイクアウトが最初の焦点となろう。
円買い介入の警戒感をこなしながら、ドル円が150.16レベルを突破する場合は、150円ミドルの攻防が次の焦点となろう。
ドル円が150円ミドルへ上昇した後も底堅さを維持する場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準150.63レベルの攻防に注目したい。このテクニカルポイントをも突破する場合は、151.00レベルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。
しかし、ドル円が150円台の攻防へシフトする場合は、円買い介入やその警戒感から、不意打ちのような反落を常に警戒する必要があろう。
ドル円のチャート:4時間足 10月以降
反落局面での焦点は?
一方、150.00レベルが強固な上値の水準として意識される状況が続く場合は、ドル円(USD/JPY)の反落相場を想定しておきたい。
しかし、米債市場で利回りが上昇基調にあることを考えるならば、ドル円が下値をトライしても、その幅は限定的となることが予想される。
フィボナッチ・リトレースメントで下値の水準を探ると、23.6%戻しの水準149.47レベルの維持が最初の焦点となろう(下の1時間足チャートを参照)。
21日線は今日現在、149.24レベルで推移している。ドル円が21日線を下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準149.05レベルのトライが焦点として浮上しよう(下の1時間足チャートを参照)。
上で取り上げたテクニカル水準の攻防は、149円台を維持できるかどうか?を見極める攻防として注目したい。
ドル円が148円台の攻防へシフトする場合は、今週17日の急落を止めた半値戻しの水準148.70レベルを維持できるかどうか?この点に注目したい。円買い介入以外での反落ならば、ドル円は148円後半の水準で反発する展開を想定しておきたい。
ドル円のチャート:1時間足 10月以降
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