【ドル円 (USDJPY)】今日の見通しとチャートポイント
米債市場では長期ゾーンの利回りが反発している。この動きを受け、外為市場では米ドル高優勢の状況にある。米ドル高にサポートされ、ドル円は151円台へと上昇。今日の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・新味に欠けるパウエル発言に米金利は上昇で反応
・米金利の上昇に支えられ、外為市場では根強い米ドル高の状況が続いている
・今日の注目材料は、ミシガン大学消費者態度指数と期待インフレの動向
・ドル円、今日の見通しとチャートポイントについて
パウエル発言に米金利は上昇で反応、根強い米ドル高の圧力
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は9日、さらなる金融引き締めが適切ならば、それを実行すると述べた。また、インフレについては十分抑制的なスタンスを達成したとは確信しておらず、今後も慎重に行動していくと述べた。
昨日のパウエル発言は、これまでの姿勢をあらためて踏襲する内容だった。しかし、米債市場では長期ゾーンの利回り(以下米金利)が上昇で反応した(下チャート、左のラインチャートを参照)。
米金利の反発を受け、外為市場では米ドル買い優勢の展開となった。米ドル相場のおおまかなトレンドを示すドルインデックス(DXY)は、レジスタンスのラインとして意識されていた50日線の突破に成功し、21日線を視野に反発基調を維持している(下チャート、右の日足ローソク足チャートを参照)。
米金利:5分足 昨日21時以降 / ドルインデックス:日足 23年7月以降
今日の注目材料はミシガン大学消費者態度指数と期待インフレの動向
今日は、11月のミシガン大学消費者態度指数(速報値)が発表される。市場予想は63.8となっている。
11月に入り、米債市場では長期ゾーンの利回りに低下の圧力が強まっている。今後、景気の先行き懸念が意識される状況となれば、米金利への低下圧力がさらに強まることが予想される。ゆえに、ミシガン大学消費者態度指数で消費者マインドの後退が示される場合は、米金利の低下と米ドル相場の反落を想定しておきたい。
一方、ミシガン大学消費者態度指数で消費者マインドの堅調さが示される場合は、逆の展開(米金利の反発が続く→米ドルの買い戻しが続く展開)を想定しておきたい。
また、期待インフレの動向も材料視される可能性がある(下チャート、紫のラインチャートを参照)。
市場予想を確認すると、1年先は4.0%と前月の4.2%から低下の見通しとなっている。一方、5-10年先は3.0%と、前月から横ばいの見通しである。
パウエルFRBは長期の期待インフレを重視している。ゆえに、5-10年先の期待インフレが予想外に上昇する場合は、「米金利の反発→米ドル買い戻し」の状況が続くことを想定しておきたい。
ミシガン大学消費者態度指数と期待インフレの動向:月次 22年以降
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
上昇局面での注目ポイント
米10年債利回りは一時、4.5%の水準を下抜ける局面が見られた。しかし、昨日の反発で4.6%台へと上昇した。30年債利回りも4.7%台を回復している。
米利上げサイクルの終了が意識され、今後は景気の減速と後退が意識される状況へシフトする可能性があることを考えるならば、中長期のスパンでこれら長期ゾーンの利回りは徐々に低下していくと筆者は想定している。
しかし、新味に欠けた昨日のパウエル発言に対して米金利が上昇した状況を考えるならば、短期的に米金利は上昇の局面が散見されるだろう。
今日のドル円(USD/JPY)は、上で述べた11月のミシガン大学消費者態度指数(速報値)で上下に振れる展開が予想される。
堅調な消費者マインドや期待インフレが予想外に上昇する場合、ドル円は反発基調を維持することが予想される。このケースでは、9日のIG為替レポートで取り上げたフィボナッチ・エクステンション76.4%の水準151.37レベルの攻防が焦点となろう。昨日の上昇は、このテクニカルポイントで止められた。またこの水準は、今月1日に相場の上昇を止めた経緯もある。
ドル円が151.37レベルを完全に上方ブレイクする場合は、直近の最高値151.73レベルを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。このテクニカルポイント(151.73レベル)で再び上昇が止められる場合は、ダブルトップ形成の可能性を意識したい。
ドル円のチャート:1時間足 月初来
反落局面での注目ポイント
一方、さえない経済指標などでドル円(USD/JPY)が反落する場合は、151円台の維持が最初の焦点となろう。この状況が確認される場合は、市場参加者に地合いの強さを印象付けよう。
今日は、短期サポートラインが151.00レベルと交錯する。テクニカルの面でも151円台の維持に注目したい。
ドル円が150円台の攻防へシフトする場合は、相場をサポートした経緯のある150.70-80ゾーンの攻防に注目したい。
ドル円がこのサポートゾーンをも下方ブレイクする場合は、同じく相場をサポートした経緯のある150.30レベルを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。
ドル円が150.30レベルをも下方ブレイクする場合は、150.15レベルまで上昇している21日線の攻防が焦点として浮上しよう。この移動平均線の攻防は、150円台を維持できるかどうか?を見極める攻防でもある。
ドル円のチャート:45分足 11月3日以降
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。