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【ドル円 (USDJPY)】今日の見通しとチャートポイント

5日の外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。しかし米債市場では、利回りの上昇が抑制された。147円を挟んで売り買いが交錯するドル円。今日の見通しと注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・5日の強い経済指標が米ドル買いの要因となった一方、米金利の上昇は抑制された
・今日以降も米経済指標、特に雇用関連の経済指標が材料視されるだろう
・ドル円の反発局面では、10日線の攻防に注目したい
・ドル円が下値をトライする場合は、38.2%の水準と146円の維持が焦点となろう


強弱まちまちの経済指標と市場の反応

強い経済指標に反応した米ドル相場
この日発表された11月のISM非製造業景況指数では、新規受注指数が55.5と前月から横ばいとなり、価格指数は58.3と前月の58.6から低下した。しかし総合では52.7と前月の51.8から改善し、かつ市場予想の52.3も上回った。

一方、10月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数は873.3万件と市場予想の930.0万件を下回った。

この日の米ドル相場は前者の強い経済指標が材料視され、米ドル買い優勢の展開となった。

米国 ISM非製造業景況指数の動向:月次 22年11月以降

米国 ISM非製造業景況指数の動向:月次 22年11月以降 ブルームバーグのデータで作成


米ドル相場のおおまかなトレンドを表すドルインデックス(DXY)は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準102.54レベルでサポートされ、昨日は200日線とトレンドチャネルの上限を突破した。

そして現在は、21日線をトライする状況にある。この移動平均線のすぐ上の水準には、先月22日に相場の反発を止めたフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準104.24が控えている。

これらテクニカルポイントの攻防は、今日以降の米雇用関連の経済指標に左右されるだろう。

ドルインデックスのチャート:日足 23年7月以降

ドルインデックスのチャート:日足 23年7月以降 TradingViewが提供するチャートで作成


上昇が抑制された米国の長期ゾーン利回り
一方、5日の米債市場では利回りの上昇が抑制された。

10年債利回りは、4.2%の水準を割り込み4.15%台まで低下する局面が見られた。30年債利回りも4.3%を割り込む状況となった。

上で述べたとおり、昨日の米経済指標は強弱まちまちの内容となった。経済指標の発表直後、米金利は上下に振れる展開となった。しかし、その後は上昇が抑制され、そしてじわりと低下した。(下のチャートを参照)。

特に長期ゾーン利回りの低下幅が拡大した状況は、米利上げサイクルの終了と将来の先行き不透明感を意識した動きと捉えることができる。

昨日は、米金利と米ドル相場の相関性が崩れる展開となった。しかし、今日以降発表される雇用関連の経済指標でアメリカの雇用市場の軟化傾向が確認される場合は、米金利の低下幅が拡大することが予想される。

米ドル相場の上昇局面では、反落の可能性を常に警戒しておきたい。

米金利とドルインデックスのチャート:1分足 5日NY時間以降


ドル円、今日の見通しとチャートポイント

焦点は米経済指標後の動き
ドル円(USD/JPY)は現在、147円を挟んで売り買いが交錯している。

下値では、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準146.62レベルが意識される状況にある(下の日足チャートを参照)。

反発の局面で10日線すら突破できない状況やMACDがゼロラインを下回った後も低下基調にあることを考えるならば、現在のドル円の焦点は、新たなサポート水準の見極めにある。

10月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数は市場予想を下回った。そして11月ISM非製造業景況指数の雇用は50.7と、前月の50.2から若干ながら改善はしたものの、市場予想の51.4を下回った。

さえない雇用関連の指標が米金利の上昇を抑制したと考えるならば、11月のADP雇用統計が市場予想(13.0万人)を下回る場合は、米長期ゾーン利回りの低下幅が拡大する要因になり得る。

米長期ゾーンの利回りが低下基調を維持する場合は、米ドル安によるドル円の下値トライを想定しておきたい。

ドル円が下値をトライする局面では、上で述べた38.2%の水準146.62レベルの攻防に注目したい。この水準を下方ブレイクする場合は、146.00の維持が焦点として浮上しよう。

ドル円のチャート:日足 23年7月以降

ドル円のチャート:日足 23年7月以降 TradingViewが提供するチャートで作成


反発の局面では10日線の攻防が焦点に
直近2日の日足ローソク足では下ヒゲが示現し38.2%の水準(146.62レベル)の維持に成功している。

今日以降の米経済指標、特に雇用関連の指標で雇用市場の堅調さが確認される場合は、ドル円(USD/JPY)の反発相場が進行する可能性が高まろう。

今日は、上で述べた11月のADP雇用統計が材料視される可能性がある。予想以上に雇用が増加する場合は、ドル円の反発相場を想定しておきたい。

目先の焦点は、先月の27日以降、レジスタンスのラインとして意識されている10日線(上のチャート、青ラインを参照)の攻防となろう。この移動平均線は今日現在、147.88レベルで推移している。

反発の局面で10日線がレジスタンスラインとして意識される状況が続く場合は、ドル円の地合いの弱さを市場参加者に意識させよう。

一方、ドル円が10日線の突破に成功する場合は、明日以降、反発相場がさらに進行する可能性が高まる。

週間の新規失業保険申請件数や11月の雇用統計で労働市場の底堅さが示される場合は、50日線(今日現在149.44レベル)を視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。

ドル円が10日線をトライするシグナルとして、まずは147.40レベルの攻防に注目したい。この水準は、レジスタンスとして相場の反発を止めている(下の1時間足チャート、赤矢印を参照)。

すぐ上の水準147.53レベルは、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。ゆえに、147.40-50レベルがレジスタンスのゾーンとして意識される可能性がある。

なお、今日現在10日線が推移する水準は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準(147.84レベル)にあたる。重要なテクニカルポイントが重なる147.80台で、ドル円が反落する展開を警戒しておきたい。

ドル円のチャート:1時間足 12月以降


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