【ドル円 (USD/JPY)】レジスタンスゾーンの突破と2つの移動平均線の攻防
根強い米ドル高と円安を受け、ドル円(USD/JPY)は148円台で底堅さを維持している。今日は、週間の米新規失業保険申請件数で上下に振れる可能性がある。上値トライの局面で注目すべきこととは?一方、反落の局面で注目しておきたいテクニカルラインは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・根強い円安にサポートされ、ドル円は148円台で底堅さを維持している
・下値の焦点は10日線の維持、上値の焦点は148.80レベルの突破となろう
・10日線を下方ブレイクする場合は、21日線のトライを想定しておきたい
・上昇の局面では、レジスタンスゾーンのサポート転換が重要な焦点となろう
底堅さを維持するドル円
7日の外為市場は、円安優勢の展開となった。
この日のドル円(USD/JPY)は安値147.62レベルまで下落する局面が見られるも、根強い円安にサポートされ148円台を維持した。
円相場の動向:2月7日
今日の注目材料
今日は週間の米新規失業保険申請件数が発表される。今週の米債市場と米ドル相場を動かす数少ない経済指標である。
直近の動向を確認すると、2週連続で新規失業保険の申請件数は増加の傾向にある。4週移動平均も上昇へ転じている(下のチャート、赤枠を参照)。市場予想(22万件)を超え労働市場の軟化を示す内容となれば、米金利の低下と米ドル安の要因になり得る。
しかし雇用統計では、2か月連続で労働市場の堅調さが確認された。1月は雇用の増加と賃金インフレの根強さが確認された。
また、1月のISM非製造業景況感指数で雇用の改善が確認されたことも考えるならば、新規失業保険申請件数が増加しても、米ドル売りは限定的となることが予想される。
一方、新規失業保険申請件数で労働市場の堅調さがあらためて確認される場合は、米金利の上昇と米ドル買いの要因になり得る。
米国 新規失業保険申請件数の動向:週次 23年以降
今日は、リッチモンド地区連銀のバーキン総裁がブルームバーグTVに出演する予定である(日本時間22時30分予定)。また、ニューヨーク経済クラブでも公演を行う(日本時間9日午前2時5分予定)。
7日の講演では、インフレ率が物価目標の2%向けてどの程度持続的に低下しているのかを見極める必要性に言及した。新味に欠ける発言内容が続けば材料視される可能性は低いが、小幅ながらも米債市場と米ドル相場を動かす可能性がある。
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
目先は10日線と148.80レベルの攻防が焦点に
年初からの根強い円安にサポートされ、ドル円(USD/JPY)は昨日、IG為替レポートで注目している10日線でサポートされた。一方、上値は148.80レベルを意識する状況が続いている。
今日の東京時間は148円をブレイクする局面が見られた。しかし、欧州タイムが近づくにつれてジワリと上昇し、148.80レベルをトライするムードにある。
148円台での攻防が続いていることを考えるならば、今日は10日線と148.80レベル、どちらの水準をトライしブレイクするのか?この点に注目したい。
ドル円のチャート:日足23年11月以降
レジスタンスの攻防を制するまでは反落相場を警戒
通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、1か月と3か月のそれらに大きな変動は見られないが、若干ながらドルプットへ傾くムードにある。
昨日の反落が10日線で止められた状況は、今のドル円の地合いの強さを示唆しているが、上値トライの局面では、148.80レベルを突破しきれずにいる。
ドル円がこの水準を完全に突破し、かつ下で述べるとおり、レジスタンスの水準がサポートの水準へ転換する状況が確認されない限り反落相場、例えば148.80レベルや149円前後での反落相場を警戒しておきたい。
ドル円のチャート:日足23年8月以降
10日線のブレイクと21日線のトライ
ドル円(USD/JPY)が下値をトライする局面では、10日線の攻防が最初の焦点となろう。この移動平均線は今日現在、147.80レベルで推移している。
日足のモメンタムはゼロラインで上下に振れる状況が続いており、上昇に勢いが見られない(下のチャート、赤矢印を参照)。また、ストキャスティクスは買われ過ぎの水準で推移している(下のチャート、赤矢印を参照)。
上で述べたリスクリバーサルの動向も考えるならば、米新規失業保険申請件数が米ドル安の要因となる場合は、上で述べたとおり10日線のトライを想定しておきたい。
しかし、米ドル高と円安の圧力は根強い。ゆえに、ドル円が10日線を下方ブレイクしても、すぐ下の水準で推移している21日線で相場がサポートされる展開を想定しておきたい。
この移動平均線は今日現在、147.45レベルまで上昇している。
ドル円のチャート:日足23年11月以降
待ち構えるレジスタンスゾーン
一方、ドル円(USD/JPY)が上値をトライする場合は、148.80レベルの攻防が引き続き焦点となろう。
だが、今月5日に高値148.90レベルで上値が止められた経緯を考えるならば、149.00レベルがレジスタンスの水準として意識される可能性がある。
また、149.15レベルはIG為替レポートで注目しているフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。
これら上値の水準が、レジスタンスのゾーンとして意識される可能性がある。
ドル円が上で述べたレジスタンスゾーンを突破する場合は、さらなる上値トライのシグナルになり得る。
しかし、より確実に上値トライを予想するためには、148.80レベルや149.00前後がサポートの水準へ転換するのかどうか?この点を確認したい。
レジタンスゾーンをブレイクアウトした後の反落局面でこの状況(サポート転換)が確認される場合は、ドル円が再び150円台を目指す展開を想定したい。
ドル円のチャート:日足 23年11月以降
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