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【ドル円】今日の見通しとチャートポイント

ドル円(USD/JPY)は155円を前に上値の重い相場となっている。トレンドは上値トライにあるが、今日は調整の反落を警戒したい。注目材料は引き続き米国の経済指標となろう。FRB高官らの言動も材料視される可能性がある。注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・米金利の上昇と米ドル高が一服するも、ドル円は154円台で底堅さを維持している
・目先のドル円は調整の反落を警戒、しかし下落幅は限定的となることが予想される
・ドル円、今日のチャートポイントについて


米金利の上昇と米ドル高が一服

17日の米債市場では利回りの上昇が一服した。

外為市場では米ドル安優勢の展開となった。しかし現在は、米国のインフレ圧力の根強さと経済の強さが意識される局面にある。今後発表される重要経済指標の内容次第では、再び「米金利の上昇→米ドル高」となることが予想される。

米ドル相場の動向:17日

米ドル相場の動向:17日 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成

今日の注目材料:米国の経済指標とFRB高官らの言動

今日は米国の新規失業保険申請件数が発表される。市場予想は21.5万件。労働市場の堅調さを示す内容となれば、「米金利の上昇→米ドル高」の展開を想定しておきたい。

なお、4週移動平均は昨秋以降、21万件前後で推移し、労働市場の底堅さを示唆する状況が続いている(下のチャート、赤ラインを参照)。

米国 新規失業保険申請件数の動向:23年以降

米国 新規失業保険申請件数の動向:23年以降 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成


また、今日は4月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数と3月の景気先行指標総合指数が発表される。

前者のフィラデルフィア連銀製造業景気指数は前月の3.2から2.0へ低下する見通しである。昨秋以降、改善の傾向にある景気先行指標総合指数も0.1%からマイナス0.1%へ低下する見通しとなっている。

新規失業保険申請件数で労働市場の底堅さが示され、景気指標が予想外に上昇する場合は、「米金利の上昇→米ドル高」の展開を想定しておきたい。

一方、新規失業保険申請件数が予想外に増加し、かつ上記の景気指標が総じて予想以下となる場合は、「米金利の低下→米ドル安」の展開を想定しておきたい。

今日は米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事の他、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つアトランタ地区連銀のボスティック総裁らがイベントに参加する。発言内容次第では米金利と米ドル相場の変動要因となろう。

フィラデルフィア連銀製造業景気指数と景気先行指標総合指数の動向:23年以降

フィラデルフィア連銀製造業景気指数と景気先行指標総合指数の動向:23年以降 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成

ドル円:今日の見通しとチャートポイント

調整の反落を警戒
日米韓は17日、米ワシントンで初となる財務相会合を開いた。円安やウォン安が進んでいる最近の外為市場の動向について深刻な懸念を共有したうえで、今後の動向について引き続き緊密に協議するとの共同声明をまとめた。

これまで表立って円安について言及してこなかった米国政府だが、対円で進行する米ドル高(円安の進行)について今後言及することが増える場合は、ドル円(USD/JPY)の上昇圧力が後退する要因になり得る。

ドル円は昨日、米ドル高の一服を受け上値の重い展開となった。しかし154.16レベルでサポートされ、底堅さを維持した。

現在のドル円は、155.00のトライおよびブレイクアウトが焦点となっている。しかし、リスクリバーサルの動向を確認すると、1週間と1ヶ月のそれらはドルプットへ傾く状況にある(下のチャート、赤矢印を参照)。

155.00レベルを目指す過程では円買い介入の可能性が意識されやすい状況にあることも考えるならば、今日のドル円は調整の反落を警戒したい。

しかし、ドル円の予想変動率には大きな動きが見られない。円買い介入以外で下値トライとなる場合、その幅は限定的となることが予想される。

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率の動向:23年10月以降

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率の動向:23年10月以降 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成


上下のチャートポイント
ドル円(USD/JPY)の上昇局面では、引き続き155.00レベルのトライおよびブレイクアウトが焦点となろう。154.80レベルの上方ブレイクは、155.00をトライするシグナルと想定しておきたい。

一方、ドル円の反落局面では、154.00レベルと153.80レベルの攻防に注目したい。後者の水準は相場をサポートした経緯がある(下のチャート、黒矢印を参照)。

ドル円が153.80レベルをも難なく下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準153.63レベル、そして半値戻しの水準153.27レベルの攻防が焦点として浮上しよう。後者のチャートポイントは、サポート転換の可能性を意識する水準である(下のチャート、黒矢印を参照)。

分足や時間足のストキャスティクスとRSIで相場の状況を追い、反落と反発のタイミングを見極めたい。

ドル円のチャート:1時間足 4月10日以降

ドル円のチャート:1時間足 4月10日以降 TradingView提供のチャートで作成

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