【ドル円 (USDJPY)】今日の見通しとチャートポイント
米債市場では、長期ゾーン利回りの低下幅が拡大している。米金利が低下する局面では、米ドル安の状況が見られた。しかし、ドル円(USDJPY)は円安にサポートされ、151円台へ再上昇する局面が見られた。今日の注目材料は?注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米長期ゾーンの利回りは低下のトレンドを維持している
・今日の注目材料は、米新規失業保険申請件数となろう
・今週のドル円は、米ドルの買い戻しと円安にサポートされている
・注目しておきたい上下のチャートポインについて
低下基調を維持する米長期ゾーンの利回り
8日の米債市場では、10年債利回りが4.5%の水準を割り込んだ。一方、30年債利回りも低下基調を維持し、4.6%を試す状況にある。
外為市場では米ドルの買い戻しが見られたが、米長期ゾーン利回りの低下幅が拡大すると、米ドル売り局面が見られた。
米長期ゾーン利回りのチャート:15分足チャート 7日以降
今日の注目材料は米新規失業保険申請件数
今週、連邦準備制度理事会(FRB)の高官からはインフレや金融政策についての言及が見られた。
共通しているのが「データ次第」という従来の姿勢である。ゆえに、要人発言に対する米債市場の反応は薄い。
今後の米金融政策がデータに左右される以上、米債市場と米ドル相場の変動要因は経済指標となろう。
今日は週間の新規失業保険申請件数が発表される。市場予想は21.8万件。4週移動平均は緩やかな上昇の傾向にある。
10月雇用統計に続き労働市場の軟化が示される場合は、米長期ゾーン利回りの低下トレンドが続くと思われる。
10年債利回りが4.4%の水準、30年債利回りが4.6%の水準をそれぞれ確実に割り込む状況となれば、外為市場では米ドル安優勢の展開を想定しておきたい。
米新規失業保険申請件数の動向:週次 22年以降
円安にサポートされるドル円
昨日は、対主要通貨で円安優勢の展開となった。
11月に入り米ドル相場は売り優勢の展開にある。しかし、パフォーマンスチャートを確認すると、米ドル相場と同じく円安優勢の展開でもある。
ゆえに今週のドル円(USD/JPY)は、米ドルの買い戻しだけでなく円安優勢の状況にも支えられている。
しかし上で述べたとおり、米債市場では長期ゾーン利回りの低下幅が拡大している。この状況が続けば、米ドル安がドル円の上値を抑える要因となろう。
月初来パフォーマンスチャートを確認すると、ドル円は若干ながら円高優勢となっている(下チャートの左バーチャートを参照)。
円安はドル円のサポート要因となっている。しかし、7月以降の上昇トレンドが米ドル高にサポートされてきた経緯を考えるならば、やはりトレンドの決定要因は米金利の動向にあると言える。
円相場のパフォーマンス:月初来
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
今日のドル円(USD/JPY)は、上で述べた米新規失業保険申請件数で上下に振れる展開が予想される。
労働市場の軟化を示す内容となれば、「米金利の低下→米ドル安」によるドル円の反落を想定しておきたい。
しかし、上で述べたとおり今のドル円は円安にサポートされている。米金利の低下は米株高の要因となる。米株高は円安の要因になり得る。
ゆえに米ドル安を受けてドル円が反落しても、現状では下落幅が限定的となることを想定しておきたい。
ドル円が下値をトライする場合、最初の焦点は150円台の維持となろう。テクニカルの面では、21日線の攻防に注目したい(下チャートの青ラインを参照)。この移動平均線は今日現在、150.05レベルまで上昇している。
ドル円が150円を下方ブレイクしても、先週の下落を止めた短期サポートラインで反発する展開を想定しておきたい(下チャートの黒矢印を参照)。このラインは今日現在、149.70レベルで推移している。
ドル円のチャート:日足 7月以降
上値の焦点は?
一方、ドル円(USD/JPY)が反発基調を維持する場合は、昨日の高値151.06レベルの突破が目先の焦点となろう。
ドル円がこの水準を突破する場合、テクニカルの面では151.37レベルのトライとなるか?この点に注目したい。この水準は、フィボナッチ・エクステンション76.4%の水準にあたる。
ドル円が151.37レベルをも突破する場合は、直近の高値水準151.70台を視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。
ドル円のチャート:1時間足 10月30日以降
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