【ドル円 (USDJPY)】今日の見通しとチャートポイント
外為市場では、米ドル安がじわりと進行している。ドル円は米ドル安の圧力を受け、下値をトライするムードが次第に高まっている。目先、注目しておきたいサポートの水準は?反発局面での注目ポイントは?詳細は、IG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米金利の上昇が抑制され、外為市場では米ドル安が進行している
・今日以降の米ドル相場は、経済指標にらみの展開が予想される
・ドル円は、50日線がレジスタンスラインとして意識される状況にある
・ドル円が反発しても、その幅は限定的となることが予想される
進行する米ドル安
27日の米債市場では、総じて利回りが低下した。一時4.5%を付ける局面が見られた10年債利回りは、再び4.3%台まで低下した。2年債や30年債の利回りも低下した。
米金利の低下を受け、この日の外為市場は米ドル安優勢の展開となった。
米ドル安を受けドル円(USD/JPY)は、安値148.54レベルまで下落する局面が見られた。
一方、ユーロドル(EUR/USD)は、IG為替レポートで取り上げているフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0960レベルをトライする状況が続いた。
米ドル相場の動向:11月27日
今月14日に発表された10月の消費者物価指数(CPI)では、米国のインフレが鈍化の傾向にあることが確認された。そして個人消費の動向を考える上で重要な小売売上高は、10月に7か月ぶりの減少となった。
これら経済指標の内容が確認された後に米金利の低下幅が拡大し、外為市場では米ドル安の圧力が高まる状況にある(下チャート、グレーゾーンを参照)。
米ドル相場の動向:月初来
今日以降、米経済指標にらみの展開に
上で述べた状況(経済指標の内容を受けて米金利の低下と米ドル安が進行している状況)を考えるならば、今日以降の米ドル相場は経済指標にらみの展開が予想される。
本日、11月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が発表される。市場予想は101.0と、前月の102.6から低下する見通しである。
消費者信頼感指数は個人消費の先行指標として注目されている。個人消費は米国経済を支える土台である。ゆえに予想を下回る結果となれば、米金利の低下要因となる可能性がある。
米金利の低下幅が拡大すれば、外為市場では米ドル安のトレンドがさらに進行することが予想される。
一方、消費者信頼感指数が予想外に上昇する場合は、米金利の反発要因となる可能性があろう。米金利の反発は、米ドルの買戻し要因となろう。
なお、22年以降の消費者信頼感指数の状況を確認すると、今年の7月を境にして期待指数も含め再び低下の基調へ転じている。特に期待指数は75.6と、景気後退のリスクが高まると判断される水準「80」を下回る状況にある。
米国 消費者信頼感指数の動向:月次 22年以降
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
50日線がレジスタンスラインとして鮮明に
ドル円(USD/JPY)は現在、50日線(今日現在149.62レベル)がレジスタンスラインとして意識されている。
昨日もこの移動平均線をトライする局面が見られた。しかし、4営業日連続で見事に上昇が止められた。
日足のMACDは、ゼロラインを下回った後も低下基調にある。上で述べた「米金利の低下→米ドル安」の状況も考えるならば、目先のドル円の焦点は、新たなサポートの水準を見極めることにある。
今日もドル円が下値をトライする場合、目先の焦点は148.00レベルの攻防となろう。昨日の安値148.54レベルの下方ブレイクは、148.00をトライするシグナルと想定しておきたい。
ドル円の下落要因として注目したいのが、上で述べた11月の消費者信頼感指数である。消費者マインドの低下を示す内容が確認される場合は将来の景気不安が意識され、米金利に低下の圧力が高まる可能性がある。
米金利の低下幅が拡大する場合は、「米ドル安→ドル円続落」の展開を想定しておきたい。
ドル円が148.00レベルを下方ブレイクする場合は、27日のIG為替レポートで取り上げた147円台の維持が焦点として浮上しよう。147.00レベルは、10月3日の突発的な円高と11月の下落を止めた経緯がある。
ドル円のチャート:日足 23年7月以降
反発局面での焦点は?
通貨オプション市場のリスクリバーサル(ドル円)の動向を確認すると、現在はドルプットへ傾く状況にある。
この動きに連動し、ドル円(USD/JPY)は50日線で上昇が止められ、下値トライのムードが次第に高まっている(下のチャート、赤枠を参照)。
外為市場で米ドル安が進行している状況にあることも考えるならば、本日ドル円が反発しても、その幅は限定的となることが予想される。
ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足 23年5月以降
4時間足のストキャスティクスは売られ過ぎの水準にある(下のチャート、赤矢印を参照)。短期的な反発の可能性が示されているタイミングで、上で述べた経済指標がそのきっかけとなる場合(ドル円が反発するきっかけとなる場合)は、149円台へ再上昇できるかどうか?まずはこの点に注目したい。
ドル円が149円台へしっかりと上昇する場合は、上で述べた50日線のトライが焦点となろう。この移動平均線で戻りが止められる状況が続く場合は、地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。
短期レジスタンスラインと直近高安の半値戻しの水準149.28レベルの突破は、50日線をトライするシグナルと想定しておきたい。
ドル円のチャート:4時間足 11月以降
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