ドル円の見通しとテクニカル分析
米ドル安の進行でドル円は再び下値を試すムードが高まっている。今日も米経済指標の内容にトレンドが左右されることが予想される。注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今日の外為市場の展望についてはこちらのレポートをご覧ください
金利差の縮小がドル円の重石に
今日のドル円(USDJPY)は、引き続き下値を試す展開を予想する。
インフレの鈍化が確認されて以降、米債市場では2年債、5年債そして10年債の各利回りがレンジ相場の状況にある。だが反発しても、その幅は限られている。
一方、国内の債券市場では植田日銀による政策修正の思惑が根強く長期金利は3月中旬以降反発へ転じ、現在は0.46%前後で高止まりしている。これらの動向を反映し、日米の利回り格差は今年の3月以降、縮小の傾向にある。ドル円は調整の反発が見られるも、日米利回り格差の縮小傾向を受け上値の水準を切り下げる状況にある。
今日のドル円も米経済指標の内容でトレンドが左右される展開が予想される。こちらのレポートで取り上げた2つの米経済指標が総じて予想以下となる場合は、アメリカの景気リスクが意識されることで金利差の縮小傾向が続くだろう。それはドル円の重石となろう。
ドル円と日米の利回り格差
上下のテクニカルポイント
ドル円(USDJPY)がさらに下値を試す場合、目先の焦点は21日MA(132.07レベル)の攻防となろう。昨日は、この移動平均線で相場が反転した。21日MAの攻防では、日足ローソク足で下ヒゲが示現した。この状況を考えるならば、21日MAは下落局面でサポートラインとして意識される可能性がある。10日MA(132.46レベル)のブレイクは、21日MAをトライするシグナルとなろう。
米金利の低下と株安が同時に発生する場合は、ドル円の21日MAブレイクを想定しておきたい。こちらのレポートで取り上げた米経済指標が総じて予想以下となる場合は、景気の先行きリスクが意識されることでこのケース(21日MAブレイク)が発生する可能性があろう。
ドル円が21日MAをブレイクする場合、次の焦点は短期サポートライン(131.35レベル)の維持となろう。このラインは、現在の反発相場を象徴している。ゆえに短期サポートラインの下方ブレイクは、反発相場の終焉シグナルとして警戒しておきたい。
一方、今日の米経済指標が米ドル買い要因となる場合は133円台への再上昇、そして新たなレジスタンスの候補として浮上している半値戻しの水準133.80レベルのトライおよびブレイクが焦点となろう。昨日、日足ローソク足の実体ベースで相場の上昇を止めた100日MA(133.11レベル)の突破は、133.80レベルを再び目指すシグナルと想定しておきたい。
ドル円のチャート
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