【ドル円 (USDJPY)】日銀イベントにらみの状況に / 今日の見通しとチャートポイント
昨日の23時に日本経済新聞の電子版は、日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を議論すると報じた。この観測報道を受け、ドル円(USDJPY)は148円台へ下落した。今日のドル円は、日銀イベントで上下どちらにも振れる可能性がある。注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・政策修正の観測報道でドル円は21日線を下方ブレイク、ジワリ高まる下落のムード
・円高の局面で注目しておきたいチャートポイントについて
・ドル円の反発局面では、3つのチャートポイントの攻防が焦点に
日銀イベントとドル円の展望
円高の局面では50日線と147円ミドル前後の攻防が焦点に
昨日の日本時間23時に日本経済新聞の電子版で、日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を議論するとの記事が流れた。
政策修正に関する観測報道を受け、ドル円(USD/JPY)は昨日、安値148.80レベルまで下落する局面が見られた。下落幅自体は限定的だったが、21日線(今日現在149.41レベル)を日足ローソク足の実体ベースで下方ブレイクしたことで、テクニカルの面ではもう一段の下値トライを想定すべき局面にある(下チャートの青ラインを参照)。
ドル円のチャート:日足 23年7月以降
YCCのさらなる柔軟化(再修正)の決定や金融政策決定会合後に公表される展望レポートで、24年度だけでなく25年度の物価見通しも上方修正する場合は、ドル円のさらなる下値トライを想定しておきたい(24年度の物価見通しが上方修正される可能性についての観測報道はすでに流れているため、この点が材料視される可能性は低い)。
今日もドル円が下値をトライする場合は、50日線の攻防が最初の焦点となろう。この移動平均線は今日現在、148.26レベルで推移している(上の日足チャート、緑ラインを参照)。
ドル円が50日線をも下方ブレイクする場合、次の焦点は148.00レベルの維持となろう。
ドル円が147円台へ下落する場合は、IG為替レポートで何度か取り上げてきたフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準147.58レベル、そして今月3日の下落を止めた147.30レベルのトライとなるかどうか?これらの点に注目したい。円買い介入に絡んだ円高以外では、147円台を維持する展開を想定しておきたい。
一方、ドル円が147円台をも下方ブレイクする展開となれば、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準145.60レベルを視野に調整相場が加速する可能性が出てくる(上の日足チャートを参照)。
反発局面での焦点は?
政策修正の観測報道を受け、すでにドル円(USD/JPY)は円高で反応した。ゆえに、YCCのさらなる柔軟化(再修正)が決定されても、日本経済新聞の電子版で報じられた内容の範囲内(連続指し値オペの柔軟化で、一定程度の上限1%を上回る金利上昇を容認する案)にとどまれば、円高へ振れてもドル円の下落幅は限定的となることが予想される。上で述べた各サポートの水準を維持する場合は、ドル円の反発相場を想定しておきたい。
ドル円の反発局面で注目したいのが、下のチャートで示した赤ラインの149.30レベル、149.80レベルそして150.05レベルでの攻防である。これらの水準は、レジスタンスへ転換する可能性がある。
また、直近高安のフィボナッチ・リトレースメントを重ねると、149.30レベルの下は23.6%の水準149.26レベルである。149.80レベルの下は半値戻しの水準149.78レベルである。そして150.05レベルの下は61.8%の水準150.02レベルである。
レジスタンスの水準へ転換する可能性だけでなく、テクニカルの面で反発が止められる可能性があるという観点からも、上述した3つのチャートポイントでの攻防に注目したい。
また、149.80(半値戻し)の水準をトライするシグナルとして、下落基調のトレンドラインの突破に成功するかどうか?この点にも注目しておきたい。
ドル円のチャート:45分足 24日以降
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