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経済指標指標にらみの展開が続く / 今日のドル円の展望について

米金利は経済指標をにらみながら反発基調を維持している。米金利の反発はドル相場を下支えしている。今日も米経済指標にらみの展開が予想される。ドルインデックスは102.80の突破が焦点に。ドル円の見通しは?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・経済指標を受け米債市場では利回りが反発の基調を維持している
・今日も米ドル相場(ドルインデックス)は経済指標にらみの展開に
・住宅市場の回復基調が続けば米金利と米ドル相場の上昇要因となろう
・ドル円の見通しと上下のテクニカルポイントについて


反発基調を維持する米金利

16日の外為市場では、米ドルが主要通貨に対して上昇した。

この日も米債市場では利回りが反発基調を維持した。一方、米国の株式市場では主要な株価指数が下落した。米金利の上昇と米株安が同時に発生したことで、資源国通貨や新興国通貨を中心に米ドルが上昇した。

米ドル相場の動向:5月16日

米ドル相場の動向:5月16日 基準日:5月15日


米債市場では経済指標にらみの展開が続いている。4月の小売売上高は3ヶ月ぶりにプラスとなり、変動の大きい自動車を除く指数が0.4%増と市場予想と一致した。
自動車とガソリンを除く指数は0.6%増と、予想の0.2%増を大きく上回った。これらの結果に米金利は上昇で反応した。

また、その後に発表された5月のNAHB住宅市場指数が50と、前月および予想の45を上回ったことも米金利の押し上げ要因になったとの見方も出ていた。

米国の小売売上高の推移

米国の小売売上の推移 米商務省 / 月次:22年10月以降

経済指標にらみの展開が続く

今日も米ドル相場と米債市場は経済指標にらみの展開が予想される。

日本時間21時30分に4月の住宅着工件数と建設許可件数が発表される。前者の住宅着工件数は140.0万件と、前月の142.0万件から低下する見通しとなっている。一方、後者の建設許可件数は143.0万件と前月から横ばいの予想となっている。

住宅市場の動向は個人消費に大きな影響を与える。2月に見えた回復の兆しが後退する結果となれば米金利の低下要因になり得る。ゆえに、さえない経済指標は米ドル売りの要因と想定しておきたい。
一方、住宅市場の回復傾向が確認される場合は、米金利と米ドル相場の上昇要因と想定しておきたい。

米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は、日足ローソク足の実体ベースで102.40レベルの維持に成功している。強い経済指標で102.80レベルを突破すれば、レジスタンスへの転換が確認されている103.00レベルをトライする可能性が高まろう。

リッチモンド連銀のバーキン総裁は16日、ブルームバーグテレビのインタビューで、インフレ抑制のため一段の利上げが必要であれば、それをすることに異論はないと述べた。一方、NY連銀のウィリアムズ総裁は高インフレに言及しながらも、過去の利上げからのフィードバックを収集する必要があると述べた。

米金融当局者はインフレ、経済情勢そして金融政策の方向性について様々な見解を述べているが「データ次第」という点では共通している。ゆえに、重要な経済指標の内容次第で次回の連邦公開市場委員会(FOMC, 6月13-14日)に対する市場の思惑が揺れ動くだろう。それに伴い米ドル相場も上下に振れる展開が続くだろう。

ドルインデックスのチャート

ドルインデックスのチャート TradingViewの日足:23年3月以降

ドル円の見通しと上下のテクニカルポイントについて

136円ミドルの突破が焦点に

上で述べたとおり、米債市場では利回りの反発基調が続いている。今日の米住宅関連指標で市況の回復傾向が示される場合は、景気の先行き懸念を後退させ米金利の上昇要因になり得る。ゆえに強い経済指標はドル円(USDJPY)の上昇要因と想定しておきたい。

ドル円が上昇トレンドを維持する場合、目先の焦点はIG為替レポートで何度も取り上げている136.57レベルの攻防である。昨日はこの水準を突破し、高値136.68レベルまで上昇する局面が見られた。しかし、日足ローソク足の実体ベースでの突破には失敗した。

ドル円が136.57レベルを日足ローソク足の実体ベースで完全に突破する場合は、137円台への上昇が焦点として浮上しよう。今日現在、200日MAが137.04レベルで推移している。ゆえに137.00の攻防は、200日MAを突破できるかどうか?の攻防でもある。

ドル円のチャート

ドル円のチャート TradingViewの日足:23年3月以降

反落局面での焦点は?

ドル円(USDJPY)が136円ミドルレベルの突破に失敗し続ける場合は、調整の反落を想定しておきたい。このケースでは136.00および135円ミドルの維持が目先の焦点となろう。

直近高安のリトレースメント23.6%戻しが136.00レベル(135.98)にあたる。一方、38.2%戻しの水準は135円ミドル(135.55)にあたる。

下の15分足チャートを見ると、ドル円が反落する局面では135.55-70ゾーンでサポートされていることがわかる。また、上の日足チャートをあらためて確認すると、10日MAが今日現在135.26レベルで推移している。直近高安の半値戻しは135.21レベルである。

上の状況を総合的に考えるならば、ドル円の反落局面ではリトレースメントを軸とした反転ポイントを意識したい。RSIが40以下の水準まで低下するタイミングでドル円がリトレースメントの各水準をトライする状況にある場合は、反転相場を意識したい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート TradingViewの15分足:5月11日以降


なお、ドル円のリスクリバーサルの動向を確認すると、1ヶ月のそれは再びドルプットへの傾きが見られる一方、3か月のそれは逆のトレンドにある。予想変動率は1ヶ月と3ヶ月でともに10%前後の低水準で推移する状況にある。

現在のドル円が135円ミドルの水準でサポートされている状況も考えるならば、上で述べたレジスタンスポイントで相場が反落してもその幅は限定的-つまり上で述べたサポートポイントで反転する展開を予想する。

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率 日足:年初来 / 1M:1ヶ月, 3M:3ヶ月

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