【ドル円とユーロ円】今日の見通しとチャートポイント
5日の外為市場は円高優勢の展開となった。今日も日米の株式市場が下落する場合は、円安の調整相場を想定しておきたい。ドル円(USD/JPY)とユーロ円(EUR/JPY)、今日の見通しと注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米株安が円買いの要因となり、5日の円相場は円高優勢の展開となった
・今日の注目材料は、米JOLTS求人件数とパウエルFRB議長の議会証言となろう
・ドル円は調整の反落を警戒、149.00と149.50レベルの攻防に注目
・ユーロ円も下値トライを警戒、目先の焦点は21日線の攻防となろう
5日の外為市場:円買い優勢の展開に
5日の外為市場は円買い優勢の展開となった。この日は、安全資産の金と米国債が買われた一方、米国株は大幅下落の展開となった。
米金利の低下を受け日米利回り格差が縮小し、ドル円(USD/JPY)は150円を割り込む局面が見られた(安値149.70レベル)。クロス円もリスク回避相場を受け、円高優勢の展開となった。
円相場の動向:3月5日
今日の注目材料:JOLTS求人件数とパウエルFRB議長の議会証言
2月の米ISM非製造業景気指数は52.6と、市場予想の53.0を下回った。雇用指数は48.0と前月の50.5から縮小した。
今日は米国の1月雇用動態調査(JOLTS)求人件数が発表される。過去1年間の求人件数は減少の傾向にある(下のチャートを参照)。しかし、直近2か月は増加の傾向へ転じている。
JOLTS求人件数が市場予想(885.0万件)を上回る場合は、米金利の反発要因となろう。このケースでは、米ドル買い優勢の展開を想定しておきたい。
一方、ISM指数の雇用に続き、JOLTS求人件数でも労働市場の軟化が確認される場合は、米債市場での利回り低下が予想される。米金利の低下は、米ドル相場の上値を抑制する要因となろう。
米国 JOLTS求人件数の動向:23年以降
今日は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、下院金融委員会で半期に1度の議会証言に臨む。
今後の政策方針については、「データ次第で慎重に判断する」姿勢を踏襲すると思われる。タカ派姿勢の維持は米ドル相場のサポート要因になり得る。
しかし、新味に欠ける内容と判断される場合は米ドル高で反応しても、その上昇幅は限定的となることが予想される。
ドル円:今日の見通しとチャートポイント
下値トライを警戒
ドル円(USD/JPY)は昨日、IG為替レポートで注目している21日線(今日現在150.05レベル)を下方ブレイクする局面が見られた。
日足ローソク足の実体ベースでは21日線をかろうじて維持した。しかし、ストキャスティクスで再びデッドクロスの状況にあること、低下基調にあるRSIの動向も考えるならば、今日も下値トライを警戒したい。
ドル円のチャート:日足 23年11月以降
149.00と149.50の攻防が焦点に
本日、ドル円が(USD/JPY)が21日線を完全に下方ブレイクする場合は、IG為替レポートで注目している149.50レベルと149.00レベルの攻防が焦点となろう(上の日足チャートを参照)。
どちらもサポート転換を意識する水準だが、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準が148.97レベルであることを考えるならば、149.00レベルがサポート水準として意識される可能性がある(下の4時間足チャートを参照)。
しかし、「日米の株安→米国債の買い→日米利回り格差の縮小→調整の円買い」が続くと同時に、上で述べたJOLTS求人件数が米ドル安の要因となる場合は、ドル円の149.00割れを警戒したい。
50日線の攻防
本日、ドル円が149円を下抜け、かつ149.00レベルがレジスタンスへ転換する場合は明日以降、50日線(今日現在147.67レベル)を視野に下落幅が拡大する展開を警戒したい。
半値戻しの水準148.38レベルの下方ブレイクは、50日線をトライするシグナルと想定しておきたい(下の4時間足チャートを参照)。
分足や時間足のストキャスティクスとRSIでトレンドを確認しながら、ドル円が上で述べたサポート水準をトライする局面でこれらオシレーター指標が売られ過ぎの水準にある場合は、反発相場を意識したい。
ドル円のチャート:4時間足 2月以降
ユーロ円:今日の見通しとチャートポイント
下値トライの局面では21日線の攻防に注目したい
ドル円(USD/JPY)は151.00の手前で上値の重い状況が続いている。
一方、ユーロ円(EUR/JPY)は、163.70レベルがレジスタンスの水準として意識されている。
昨日のユーロ円は、円の買戻しを受け下落した。テクニカルの面では10日線(今日現在162.94レベル)を下方ブレイクする状況にある(下の日足チャートを参照)。
日足のストキャスティクスやRSIの動向も考えるならば(下のチャート、赤矢印を参照)、日米の株式市場で調整の反落相場が続く場合は、ドル円と同じくユーロ円も下値のトライを警戒する必要がある。
本日、ユーロ円が4日の安値162.52レベルを下方ブレイクする場合は、今日現在162.10レベルで推移している21日線を視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。
ユーロ円が反発しても、10日線がレジスタンスとして相場の戻りを止める場合は、地合いの強さが後退しているシグナルとなろう。このケースでは、明日以降もユーロ円の下値トライを警戒したい。
一方、ユーロ円が10日線を難なく上方ブレイクする場合は、4日の高値163.52レベルのトライおよびブレイクアウトが焦点となろう。
上の状況が確認される場合は、明日以降、強固なレジスタンスの水準として意識されている163.72レベルのトライが焦点として浮上しよう(下の日足チャート、赤ラインを参照)。
ユーロ円のチャート:日足 23年11月以降
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