パロアルトネットワークス(PANW)、2019/7期4Q(5-7月)は請求額(Billing)が四半期として初の10億USD台に、IoTセキュリティーZingboxの買収へ
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- 9/4発表の2019/7期4Q(5-7月)は、売上高が前年同期比22.4%増の8.05億USD、営業利益が▲990万USD、純利益が▲2,080万USDと赤字転落。調整後EPSは1.47USDと市場予想の1.41USDを上回った。
- 会社が重視する請求額(Billing)は同22.5%増の10.56億USD。PrismaやCortexの新製品の成長が寄与し四半期として初の10億USD台に。
- IoTセキュリティー企業Zingboxを買収すると発表。Zingboxの技術を統合することで、クラス最高の可視性と自動化されたインライン・プリベンションを備えたIoTセキュリティーの提供が可能となる。
What is the news?
9/4発表の2019/7期4Q(5-7月)は、売上高が前年同期比22.4%増の8.05億USD、営業利益が▲990万USD、純利益が▲2,080万USDとそれぞれ前年同期の1,710万USD、700万USDから赤字転落。ハイブリッドSaaS型ビジネスモデルであることから会社側が重視している請求額(Billing、売上高に期中の繰延収益の増減を加えた指標)は同22.5%増の10.56億USD。PrismaおよびCortexの新製品の成長が寄与し四半期として初の10億USD台となった。粗利益率は73.0%と前年同期の72.0%から改善。一方、営業費用が同30.9%増の5.98億USDと膨らみ営業赤字に転落した。営業費用の内訳は、研究開発費が同43.9%増の1.58億USD、販売費が同28.9%増の2.89億USD、一般管理費が同22.0%増の6,920万USD。株式報酬費や買収関連費、のれん償却費など特別項目を除く非GAAPベースの調整後純利益は同11.5%増の1.46億USD。調整後EPSは1.47USDと市場予想の1.41USDを上回った。
製品・サービス別の業績は以下の通り。製品は、売上高が同12.3%増の3.05億USD、粗利益が同17.6%増の2.23億USD、粗利益率が73.9%、非GAAP粗利益が同16.0%増の2.25億USD、非GAAP粗利益率が73.9%。サブスクリプション&サービスは、売上高が同29.4%増の5.00億USD、粗利益が同28.5%増の3.64億USD、粗利益率が79.7%、非GAAP粗利益が同29.8%増の3.98億USD、非GAAP粗利益率は79.7%。地域別売上高は、米州が同24.7%増の5.59億USD、ヨーロッパ、中東・アフリカ(EMEA)が同17.6%増の1.50億USD、アジア太平洋(APAC)が同16.8%増の9,640万USD。
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2020/7期1Q(8-10月)会社計画は、売上高が前年同期比16-17%増の7.60-7.70億USD、調整後EPSが1.02-1.04USD。2020/7通期会社計画は、前期比19-20%増の34.40-34.80億USD、調整後EPSが5.00-5.10USD。同社は9/4、IoTセキュリティー企業Zingboxを7,500万USDで買収すると発表。Zingboxのデバイスおよび脅威の識別に係るAI・機械学習をNext-Generation FirewallおよびCortexに統合することで、最高クラスの可視性と自動化されたインライン型防御を備えたIoTセキュリティーの提供が可能になる見込み。
終値(USD) 211.18 2019/9/9
会社概要
2005年設立。革新的なトラフィック分類エンジンを使用したセキュリティーオペレーティングプラットフォームを手掛けている。同社のプラットフォームは、アプリケーション、ユーザー、コンテンツごとにネットワークトラフィックを識別し、ネットワーク、エンドポイント、クラウド全体で一貫したセキュリティーを提供する。本社はカリフォルニア州サンタクララ。150超の国・地域で事業を展開。
企業向けには、Next-Generation Firewallsを通じたネットワーク・セキュリティーを提供している。物理アプライアンスや仮想アプライアンス(VM-Series)、クラウド配信サービス(GlobalProtect)およびPanoramaなど様々な形態をとる。また、エンドポイントのセキュリティー用の軽量ソフトウェアエージェントのTrapsもある。
クラウド事業者向けには、クラウドセキュリティー製品群Prismaを通じて、ユーザーアクセスやSaaSアプリケーションの保護を提供している。そのほかクラウドセキュリティー製品には、クラウドインラインネットワークセキュリティー用のVM-Seriesやホストベースのパブリッククラウドインフラストラクチャー保護用のTraps、クラウドコンテナ保護用のTwistlock、およびパブリッククラウドのサーバーレス機能を保護するPureSecなどもある。セキュリティー機能を統合するAI活用のためのオープンなセキュリティープラットフォームのCortexなども提供している。
企業データ(2019/9/10)
ベータ値 0.83
時価総額(百万USD)20,268
企業価値=EV(百万USD)18,895
3ヵ月平均売買代金(百万USD)281.5
主要株主(2019/9) (%)
1.VANGUARD GROUP 8.69
2.ブラックロック 5.92
3.ルネッサンス・テクノロジーズ 5.29
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
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公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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