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ロシアーウクライナ情勢に振り回されるユーロ相場 / ユーロドルの焦点は1.14レベルの攻防

各市場はロシアーウクライナ情勢に振り回される状況が続いている。特にユーロ相場はここ1週間上下に振れているが、なかでもユーロ円の変動幅が拡大している。ユーロドルは1.14レベルの攻防が焦点に。今日の注目ポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

ロシアーウクライナ情勢に振り回されるユーロ相場


【サマリー】

・ユーロ相場はロシアーウクライナ情勢に振り回される展開が続く
・ユーロ円は上下に大きく振れやすい状況にある
・ユーロ円のチャートポイントについて

・ユーロドルは1.14レベルの攻防が焦点に



・ユーロ相場はロシアーウクライナ情勢に振り回される展開

バイデン米大統領は17日、数日以内にロシアがウクライナに侵攻する可能性が高いと述べた。ロシア国防省は15日、軍事演習を終えた部隊から順に駐屯地に引き揚げると発表したが、米国サイドはむしろロシアとウクライナの国境付近のロシア軍が15万人超に拡大したと主張している。

情勢に関する情報が錯そうする中、昨日の各市場はリスク回避相場となった(米株安 / 米金利低下 / NY金上昇)。外為市場では、ドルルーブル(USDRUB)が1.4%超の上昇(ドル高 / ルーブル安)となった。

ロシアーウクライナ情勢に一番振り回されているのがユーロ相場である。昨日は米ドル同様、ロシアルーブルで上昇する一方、米ドルや円などの主要通貨に対してはユーロ売りとなった。

ユーロ相場のパフォーマンス(2月17日)

ユーロ相場のパフォーマンス(2月17日)

・上下に大きく振れるユーロ円

今のユーロ相場で注目すべきことは、ロシアーウクライナ情勢はユーロドル(EURUSD)よりもユーロ円(EURJPY)の変動幅を拡大させる要因となっていることだ。

ロシア軍によるウクライナ侵攻が意識された今月11日~14日にかけて、ユーロ円は-1.46%下落した。ユーロドルの下落率は-1.07%だった。

ユーロ相場のパフォーマンス(2月11~14日)

ユーロ相場のパフォーマンス(2月11~14日)

一方、15日にロシアーウクライナ情勢の緊張が緩和した際、ユーロ円は0.51%上昇した。ユーロドルの上昇率は0.45%だった。

そして昨日は、リスク回避相場を受けユーロ円の下落率は-0.56%となったが、ユーロドルのそれは-0.11%にとどまった(最初のパフォーマンスチャートを参照)。

ここ1週間でロシアーウクライナ情勢は二転三転している。しかし共通していることは、ユーロ円の変動幅がユーロドルのそれよりも大きいことである。

今日もロシアーウクライナ情勢をにらんだ展開が続くだろう。新たな情報次第でユーロ円は、下で述べるチャートポイントをトライする展開を予想する。

ユーロ相場のパフォーマンス(2月15日)

ユーロ相場のパフォーマンス(2月15日)

・ユーロ円のチャートポイント

現在、ロシアーウクライナ情勢が再び緊迫した状況となっている。よって、今日のユーロ円(EURJPY)は下値トライを警戒したい。

直近の動きを日足チャートで確認すると、昨日は21日線(EMA)を大陰線で下方ブレイクした。131.50前後がサポートポイントからレジスタンスポイントへ転換しつつある状況も考えるならば、下値トライの局面では、50日線(EMA)およびフィボナッチ・リトレースメント61.8% の水準130.11レベルの攻防が焦点となろう。

これらテクニカルポイントを下方ブレイクする場合は、130円割れの展開を想定しておきたい。

一方、ロシアーウクライナ情勢の緊張が再び緩和する場合は、ユーロ円の反発を予想する。このケースでは、上で述べた131.50レベルの突破が焦点となろう。

これに成功する場合は、131.50がレジスタンスからサポートへ転換するかどうか?この点を確認したい。

131.50レベルの突破どころか、トライすらできずにユーロ円の反発が抑制される場合は、50日線や61.8%戻しのトライを常に意識しておきたい。

ユーロ円のチャート

ユーロ円のチャート

ユーロドルの焦点は1.14レベルの攻防

一方、ユーロドル(EURUSD)の焦点は1.14レベルの攻防となろう。

15日にロシアーウクライナ情勢の緊張が一時的に緩和し、ユーロドルはこの日と16日に続伸した。しかし、高値1.1395レベルで戻りが止められた。2月8日以降、1.14レベルはサポートポイントとして意識された経緯がある。この水準がレジスタンスのポイントへ転換する場合、市場参加者に地合いの弱さを印象付けよう。

目下のところ、ロシアーウクライナ情勢に関する最大の焦点は、ウクライナ東部の状況である。この地域で緊迫の度合いがさらに増す場合、もしくはそのような懸念が高まるだけでもユーロ売りの圧力が高まろう。

このケースでのユーロドルは、昨日の下落を止めた21日線(SMA)を下方ブレイクする展開を想定しておきたい。この移動平均線のブレイクは、1.13レベル(半値戻し1.1307)のトライのシグナルとして警戒したい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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