S&P500種、21年に18%上昇も バリュー株主導で
ワクチン開発の進展に伴い景気回復への期待が膨らんでいる。こうしたなか、景気循環銘柄を中心とするバリュー株の上昇を見込む声が多く、S&P500種株価指数について21年末までに現行水準から18%超押し上げられるとの見方が一部で出ている。
コロナワクチン開発の進展に伴い景気回復への期待が膨らんでいる。こうしたなか、景気循環銘柄を中心とするバリュー株の上昇を見込む声が多く、S&P500種株価指数について2021年末までに現行水準から18%超押し上げられるとの見方が一部で出ている。
経済成長見通し
シティは先週、ファイザー、モデルナ、およびアストラゼネカの3社が開発するワクチンの緊急使用許可が21年1月までに承認されることを前提に、先進国でのワクチンの普及時期を21年4~6月期、あるいは7~9月期と予想。10~12月期には集団免疫が確立されるとの見方を示した。
経済活動の正常化に伴い、先進国では21年に1.2%、22年に3.9%の経済成長が見込まれるという。一方、新興国については、ワクチンの普及が先進国よりも遅れるとし、21年に0.1%、22年に2%の成長が予想されるとした。世界全体では21年に0.7%、22年に3%の経済成長を見込んでいる。
景況感が改善する一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は早ければ12月の次回会合で量的緩和政策の拡充を検討する。25日に公表した11月4~5日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、金融緩和の強化策を議論していたことが明らかになった。具体的な緩和手段としては米国債の買い入れペースの増額か、購入国債の年限の長期化を挙げた。
FRBは9月、緩和策を少なくとも23年末まで継続するとの見通しを示している。政府も財政出動を継続するなか、経済成長見通しの改善によりインフレ期待が高まり、イールドカーブ(利回り曲線)がスティープ化する可能性が高い。
バリュー株に脚光
一般にイールドカーブのスティープ化の局面で選好されるのは景気に敏感なセクターを多く含むバリュー株だ。とりわけ金融機関の運用や融資の環境が改善するため、金融株は有望だ。
逆に、イールドカーブのフラット化の局面では、景気に関係なく利益成長を実現できるハイテク銘柄などのグロース株が選好されることが多い。コロナが猛威を振るった際にはカーブがフラットになるなか、フェイスブック、アマゾン、アップル、マイクロソフト、アルファベット(FAAMG)に代表されるハイテク株が買われた。
ゴールドマン・サックスは11日、グロース株からバリュー株への強力なシフトに支えられる格好でS&P500種は21年末までに4300、22年末までに4600まで上昇すると予想した。25日終値からはそれぞれ18%と26%の上昇となる。ワクチン緊急使用の承認とその後の接種の普及を受け、コロナ禍で打撃を被った企業の利益見通しが上方修正されるとの見方を示した。20年末については3700としている。
ゴールドマンは21年末のFAAMG5銘柄の騰落率は前年比プラス5%にとどまると予想。他方、残り495銘柄の騰落率は、1990年以降の12カ月騰落率の80パーセンタイルに相当する20%を想定している。
短期的にはリスクも
バンク・オブ・アメリカ(BofA)が20日、調査会社EPFRのデータを引用して明らかにしたところによると、それまでの3週間の世界の株式への資金流入の合計額は過去最高の890億ドルに達した。
この間、コロナ禍が引き起こした株安で打撃を受けた銀行や旅行、娯楽、エネルギーといった銘柄に資金が集まり、バリュー株への資金流入額は76億ドルと過去2番目に高い水準だった。
BofAは金融やエネルギーなどの景気循環セクターを選好すると表明した。一方、S&P500種の21年末の水準については3800と保守的に予想し、ワクチン開発と景気回復への期待の大半はすでに相場に織り込まれているとの見方を理由に挙げた。
また、短期的にはワクチン接種のエグゼキューションリスクや財政刺激策の遅延、都市封鎖(ロックダウン)の長期化に注意を払う必要があると指摘した。
27日の米株式市場でS&P500種株価指数は終値ベースで過去最高値となる前営業日比8.70ポイント(0.24%)高の3638.35で終えた。
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