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米国ウィークリー 2018/11/27号

トランプ大統領の願いとマーケット!

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  • NYダウは11/16の25,413.22ドルが11/23には24,285.95ドルと4営業日で1,127ドルもの下落(4.44%安)となった。米中首脳会談での貿易交渉への期待がやや後退し、IMFに次いでOECDが世界景気見通しを下方修正するなど、景気減速懸念が強まっている。VIXは再び20台に乗せ、投資家の先行き不安の高まりを示している。
    需要減退見通しを背景に下落の原油価格であるが、11/23のWTI原油先物価格は1日で7.7%もの急落となった。また、11月初旬には節目の3.2%台を超えていた米国10年国債利回りは、足元で3.1%台を割り込む展開となっている。相対的に安全性が高く、利回りの高い米国債が買われるなど、Fly to Quality(安全資産を買う動き)が一部で見られる。11月第4週の米国株式市場の騰落率は、図表にある通り、S&P500の業種別、NYダウ構成銘柄から見ても全面安の展開となった。特に米国で初めて1兆ドルを突破したアップル(AAPL)の株価下落が下げを主導している。
  • 10/3に一時233.47ドルの最高値を更新したが、その後下落。11/2以降、時価総額は1兆ドルを割り込み、単純平均のNYダウ、時価総額加重平均のS&P500、ナスダックなど主要株価指数への影響は大きい。iPhone XRの増産中止観測などから、同社株価は11/23に172.29ドルと最高値から26.2%下落。弱気相場入りの目処とされる20%超の下落となった。しかし、2019/9通期の市場予想は、売上高が前期比5.1%増の2,783億ドル、売上総利益率が0.17ポイント改善の38.49%、当期純利益は同6.3%増の627.6億ドルと伸び鈍化も増収増益を維持する見通しである。予想PERは13倍台を割り込み、NYダウやS&P500などのベンチマークとなるインデックスの水準を大きく下回っている。アナリストの目標株価水準(平均で約230ドル)の大半と比べても、現状の同社株価はやや売られ過ぎ(オーバーシュート)ではないかと見ている。
    クリスマス商戦の出足は良好な模様で、11/30開催と見られる米中首脳会談、アップル(AAPL)の株価、原油価格の動向が当面の相場動向を左右することとなろう。トランプ大統領が願う「原油安」は図らずも実現された。「気に入らない」とするFRBの「利上げ」は、同大統領が送り込んだクラリダFRB副議長が「金利はFRBが中立とみなす水準に近づいている」旨の見解を示した。10年国債利回りは、賃金上昇、強い経済指標にも関わらず低下している。ただ、実際にはリスクオフの展開であり、現状の株安は同大統領の願いではないだろう。追加利上げの可能性が高い12/18-19のFOMCを前に、クラリダFRB副議長、パウエルFRB議長の発言が注目される。(庵原)

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/23現在)

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■主な企業決算 の予定

●11月27日(火):ロックウェル・コリンズ、セールスフォース・ドットコム

●28日(水):ティファニー、JMスマッカー

●29日(木):ダラーツリーHPPVH

■主要イベントの予定

●11月27日(火)

クラリダFRB副議長、講演

・カンザスシティー、 アトランタ、シカゴ各連銀総裁がパネル討論会

・上院、ミシシッピ州補欠選挙の決選投票

11月の消費者信頼感指数、

9月のFHFA住宅価格指数、9月の主要20都市住宅価格指数

・中国10月の工業利益

●11月28日(水)

パウエルFRB議長、講演

3QGDP(改定値)、10月の新築住宅販売件数

●11月29日(木)

FOMC議事要旨 (117-8日開催分)

・シカゴ連銀総裁、パネル討論会に出席

・G20財務相会議(ワーキングディナー、ブエノスアイレス)

・10月の個人所得・支出、10月の中古住宅販売成約指数 、11月24日終了週の新規失業保険申請件数

●11月30日(金)

・ニューヨーク連銀総裁、講演

G20サミット(ブエノスアイレス、121日まで)

中国11月の製造業PMI、非製造業・コンポジットPMI

121日(土)

・G20サミット(ブエノスアイレス、最終日)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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