レオパレスが大幅続落、施工不良問題が深刻化 新たに3784棟
・施工不良アパート1万4599棟に拡大
・耐火性に問題の物件、30%の世帯が未転居
11日前場の東京株式市場でレオパレス21<8848>が大幅に続落している。同社が管理・運営するアパートで、新たに3784棟に不備が見つかったと10日に発表。施工不良問題が一層深刻化したことで売りが優勢となっている。
午前10時14分現在、前日比5円(2.42%)安の202円で取引されている。一時、2月19日以来の安値となる201円を付けた。
今月5日に3月の入居率の低下を発表したことをきっかけに株価は8日以降、下げ続けている。
新たな不備は、調査対象を2015年から18年に施工した物件に広げたことで見つかった。主な施工不良は隙間などがあった物件が3766棟、界壁がなかった物件が1892棟、バルコニーに不備があった物件が1427棟。
今回の発表により、施工不良のアパートは1万4599棟に拡大した。3月末までに全棟の56%にあたる2万1811棟で調査を終えたが、不備のある物件は3分の2を超えている。全物件を対象に調査を続けており、施工不良物件はさらに増加する可能性がある。
レオパレスは当初、10月までに補修工事を終えると発表していたが、国土交通省から工事完了時期を今夏までに前倒しするように指示された。ただ、新たな不備がほかの物件で見つかったことで、工事の完了時期などに影響が及ぶおそれがある。
レオパレスは天井の耐火性に問題のある物件の入居者対し、3月末までの転居を促していた。しかし、該当する400棟に住む4518戸のうち、3月末時点で転居が完了したのは1843戸にとどまり、30%超に相当する1399戸は転居時期のメドが立っていない。
補修費用
レオパレスは、現時点で追加の補修費用は発生しないと考えているとしているが、実際のところは定かでない。同社は施工不良が発覚した18年春以降、3度にわたり特別損失を計上している。
みずほ証券は今月、レオパレスの2020年3月期の営業損益について、従来予想の58億円の黒字から一転して52億円の赤字になると予想。また、補修工事や空室損失引当金といった潜在リスクを550億円と予想した。
みずほ証券はレオパレスの目標株価を240円から200円に引き下げ、投資判断を3段階で最下位の「アンダーパフォーム」で継続した。
入居率低下
レオパレスは5日、管理・運営するアパートの3月の入居率が84.33%と前月から1.24ポイント低下したと発表した。この1年で最も低い水準で、8カ月連続で前年実績を下回った。
2月に新たな施工不良が発覚した後の最初の入居率の発表となり、市場はこの数値に注目していた。
入居率が1年を通じてピークになる3月に下がったことで、同社の業績に対する悲観的な見方が広がった。入居者がなければ、アパートを一括で借り上げるサブリース契約に基づき大家に約束している保証賃料に家賃収入がとどかない「逆ざや」が生じ、事業に打撃が及ぶ可能性がある。逆ざやに陥る入居率の水準はおよそ80%とされている。
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