9日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸。米国株やアジア株の上昇や、米中貿易協議の前進への期待で買いが優勢となった。
日経平均の終値は前日比223.02円(1.1%)高の2万0427.06円。後場の前半に300円近く上昇する場面があった。
医薬品、パルプ、精密機器などが上昇率上位。一方、不動産、証券、空運などが下落率上位。
ダイキン工業、テルモ、リクルートホールディングスが日経平均寄与度上位。ほかにエーザイや大日本住友製薬などの医薬品メーカーの寄与度も大きかった。
医薬品が高い
大日本住友製薬は230円(6.37%)高の3840円。同社は4日続伸したバイオベンチャーのサンバイオの株式を5%超保有する大株主で、サンバイオとともに再生細胞薬「SB623」を開発している。
サンバイオは860円(8.87%)高の1万0560円。引け際に1万0720円の上場来高値を付けた。
サンバイオは7日引け後、米国で大日本住友製薬と共同で実施している再生細胞薬「SB623」の慢性期脳梗塞を対象とした第2b相臨床試験に対し、カリフォルニア州再生医療機構(CIRM)から総額2000万ドル(約21億7000万円)の補助金を獲得しており、このうち昨年12月28日付で経過観察終了達成分の補助金100万ドルを受領したと発表。これを評価した買いが入っている。
創薬ベンチャーのそーせいグループはこの日も大幅続伸。終値は94円(8.72%)高の1172円。開発しているがん免疫療法の候補薬について、アストラゼネカから1500万ドル(約16億円)のマイルストン(一時金)を受け取ると発表して大幅高となった昨日の流れを引き継いだ。
ニューヨーク原油が続伸
ニューヨーク原油先物相場が7日続伸したことで石油関連株も高い。終値は出光興産が前日比95円(2.53%)高の3850円、昭和シェル石油が42円(2.63%)高の1642円、コスモエネルギーホールディングスが34円(1.4%)高の2464円。
8日のニューヨーク原油先物相場は7日続伸。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近2月限は前日比1.26ドル高の1バレル=49.78ドルで取引を終え、その後の時間外取引では50ドルを上回る水準で取引された。
7日にサウジアラビアが原油輸出を減らす計画だと伝わり、需給改善への期待が強まった。さらには米株式相場が続伸したことを受け、リスク資産である原油にも買いが入った。
一方、アップル関連株は一部が軟調に引けた。アップルによるスマートフォン「iPhone」の新型3機種の10%減産が伝えられたことが背景にある。
TDKは50円(0.66%)安の7550円。アルプスアルパインは14円(0.66%)安の2111円で引けた。