千代建が続伸、米LNGプラント顧客と新契約条件で合意
・インセンティブボーナス条項設定などで合意
・8月1日付で東証2部へ指定替え
千代田化工建設<6366>が続伸。米ルイジアナ州のキャメロン液化天然ガス(LNG)プロジェクトに関し、顧客のキャメロンLNGと新たな契約条件で合意に至ったと発表したことが買い材料になった。
終値は前営業日比10円(3.38%)高の306円。一時311円(5.07%高)まで買われた。
このプロジェクトは千代建のグループ会社、千代田インターナショナルと米マクダーモット・インターナショナルが設立した合弁会社が進めている。3系列のLNGプラントで構成され、3系列すべてが完成すると、LNGの年間輸出量は1200万トン超となり、世界最大級のLNG生産設備になる。
千代建が8日午前に発表したリリースによると、今回の合意は第2系列と第3系列建設工事に関するインセンティブボーナス条項の設定、今回合意したプロジェクトスケジュールに基づく遅延賠償金起算日の見直し、今回合意した契約納期の遵守確認が主なポイント。
2部への指定替え
キャメロンLNGプロジェクトは工事の遅れなどで採算が悪化。さらに他のプロジェクトにおける工事コストの増加もあり、千代建が5月9日に発表した2019年3月期決算での純損益は、過去最悪となる2149億円の赤字を計上した。19年3月末時点で借金が資産総額を上回り、592億円の債務超過に陥った。
千代建は6月28日の取引終了後、東京証券取引所が同社株式を8月1日付で東証1部から東証2部へ指定替えすると発表。同社が提出した有価証券報告書で、19年3月期末時点で債務超過状態にあることが確認されたための指定替えだ。上場廃止基準にかかる猶予期間銘柄にも同時に指定された。猶予期間は19年4月1日から20年3月31日。
一方、千代建は7月に筆頭株主である三菱商事に優先株700億円を第三者割当する。この増資が完了すれば、債務超過状態は解消される見通しとしている。
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