18日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反発。米中貿易摩擦の緩和期待や、外国為替市場で進んだドル高・円安を受け、投資家心理が改善した。
日経平均の終値は前日比263.80円(1.29%)高の2万0666.07円。昨年12月19日以来、ほぼ1カぶりの高値で引けた。
ファーストリテイリング、東京エレクトロン、ファナックなどが日経平均の上昇に寄与した。
東証33業種のうち、値上がりは31業種。値上がり率上位は不動産、海運、建設など。一方、値下がりしたのはパルプ・紙と精密機器。
米国メディアが現地時間17日午後、米政府が中国に課している追加関税の引き下げを議論しており、ムニューシン米財務長官が関税の一部もしくは全部の撤回を提案していると報じた。一方、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表はこれに反対の姿勢を示しているとみられるという。
この報道を受け、ダウ工業株30種平均は一時、260ドル超上昇。162.94ドル高で取引を終えた。
米中貿易摩擦の緩和が期待されるなか、東京市場では東京エレクトロンやファナックなどの中国関連銘柄が買われた。終値はそれぞれ520円(3.81%)高の1万4155円と440円(2.44%)高の1万8450円。
任天堂が5日続伸
任天堂の終値は700円(2.11%)高の3万3850円。5日続伸した。
米金融専門紙バロンズ(電子版)が米国時間11日、アップルは任天堂を買収すべきとの内容の記事を掲載したことが週を通じて材料視された。
ファーストリテイリングは反発した。終値は590円(1.16%)高の5万1430円。
千代田化工建設は急反発。51円(17.41%)高の344円で取引を終えた。出来高は東証1部上場銘柄で4位。
日揮(5.6%高)や東洋エンジニアリング(5.64%高)など他のプラントエンジニアリング会社も高い。
再生医療株
再生医療銘柄が引き続き物色された。サンバイオは前場で上場来高値を更新し、JCRファーマは10日続伸となった。
再生細胞薬の開発に取り組むサンバイオは1万0920円まで上げ、連日で上場来高値を更新した。終値は90円(0.86%)高の1万0540円。
間葉系幹細胞を使った細胞医薬品「テムセル」や遺伝子組み換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」が好調なJCRファーマは、140円(2.33%)高の6150円で引けた。
日本電産が昨年来安値
日本電産は寄り付き直後に1万1405円まで下げ、昨年来安値を更新。しかし、売り一巡後は下げ幅を縮小。140円(1.13%)安の1万2255円で取引を終えた。
日本電産は17日、19年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比14%減の1120億円になる見通しだと発表。最高益更新を見込んでいた従来予想(12%増の1470億円)から一転して減益となる。中国の景気減速を受けたもの。
売上高見通しは3%減の1兆4500億円。従来予想から1500億円下方修正した。
永守重信会長は会見で、11月と12月に尋常でない変化が起きたと述べた。日本電産の減収は10年3月期以来9年ぶり、最終減益は13年3月期以来6年ぶりとなる。
ドル・円相場は109円台前半でじりじりとドル高・円安が進んだ。
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