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アルファベット、データプラットフォームのLookerを26億USDで買収すると発表、クラウドサービスの強化へ

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BLOOMBERG GOOGL:US | REUTERS GOOGL.O

Source: Bloomberg
  • 4/29発表の2019/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比16.7%増の363.39億USD、純利益が同29.2%減の66.57億USD。調整後EPSは11.90USDと市場予想の10.56USDを上回った。
  • エンゲージメント課金型広告収入やネット広告サービスが伸びたものの、欧州委に競争法違反で科された制裁金が重荷となり減益。
  • 同社傘下のGoogleは6/6、データプラットフォームを手掛けるLookerを26億USDで買収すると発表。クラウドサービスの強化を図る。取引規模は2014年のデジタル温度調節器メーカーのNest買収以降で最大。

What is the news?

4/29発表の2019/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比16.7%増の363.39億USD、純利益が同29.2%減の66.57億USD。欧州委員会に競争法違反で科された制裁金17億USDが重荷となった。制裁金を除くベースの調整後純利益は83.39億USD。調整後EPSは11.90USDと市場予想の10.56USDを上回った。ただ、売上高が市場予想の373.10億USDを下回ったことが嫌気され、株価は決算発表の翌日の4/30の市場で前営業日比7.5%下落した。

セグメント別の売上高は以下の通り。売上高の大部分を占める①Google事業は前年同期比16.7%増の361.69億USD。うち、広告収入が同15.3%増の307.20億USD、その他が同25.1%減の54.49億USDだった。広告収入のうち、Google.comやGmail、Googleマップ、Google Play、YouTubeなどのサイトのエンゲージメント課金型広告収入が同16.7%増の256.82億USDとなった。モバイル検索が増加したほか、広告主の活動が活発化。また、YouTubeの成長や広告フォーマットおよび配信方法の改善によるデスクトップ検索の伸びも寄与した。AdMob、Google AdSense、Google Ad Managerなどインターネット広告事業の広告収入は、同8.5%増の50.38億USD。AdMobが伸びたほか、プログラムによる広告購入が増えた。AccessやCalico、CapitalG、GV、Verily、Waymo、Xなどその他事業を包括する②Other Bets事業は同13.3%増の1.70億USD。AccessのインターネットおよびTVサービス、Verlyのライセンスや研究開発サービスの収益が寄与した。

How do we view this?

2019/12通期会社計画は未公表。市場予想は、売上高が前期比2.6%減の1,332.57億USD、当期利益が同3.9%増の319.45億USD。同社傘下のGoogleは6/6、ビジネスインテリジェンス、データアプリケーション、組み込み型アナリスティクスのプラットフォームを手掛けるLookerを26億USDで買収すると発表。LookerをGoogle Cloudに追加することで、アナリスティクスや機械学習、AIなどを含む包括的な分析ソリューションを提供できるようになる。Bloombergの集計によると、取引規模は2014年に32億USDでデジタル温度調節器メーカーのNestを買収した以降で最大となる。


配当予想(USD) 0.00 (予想はBloomberg)
終値(USD) 1,082.76 2019/6/10

会社概要
2015年にGoogleの持株会社として設立。傘下企業で最大のGoogleは、Android、Chrome、Gmail、Googleドライブ、Googleマップ、Google Play、Google検索、YouTubeなどの製品・プラットフォームを提供している。月あたり10億以上のアクティブユーザーを抱え、技術革新を通じ世界で最も認知されたブランドの1つとなった。Pixel 3やスマートディスプレイ型Google Home Hubなどのハードウェア製品、Google Cloud PlatformやG Suiteなどの企業向けクラウドサービスなども手掛ける。グループでは、自動運転やライフサイエンス、インターネット通信およびTVサービスなど主力のインターネット事業から距離のある事業も展開している。Google以外の全ての事業をOtherBets事業として報告しており、研究開発段階から商業化の初期段階に至るまで、様々な開発段階にある新興企業を抱えている。主要な子会社には、インターネット通信およびTVサービスを提供するAccess、バイオテクノロジー企業のCalico、ベンチャーキャピタルのCapital GおよびGV、研究開発サービスおよびライセンス供与を行うVerily、自動運転車開発企業のWaymo、基礎研究所のXなどがある。

企業データ(2019/6/11)
ベータ値 1.05
時価総額(百万USD)750,815
企業価値=EV(百万USD)649,599
3ヵ月平均売買代金(百万USD)1,958.6

主要株主(2019/6) (%)
1.VANGUARD GROUP7.43
2.ブラックロック6.27
3.FMR5.11
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)アナリスト


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公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
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