アップル、ハード中心からサービス重視への事業転換、6/3に始まる開発者会議ではOS更新や新アプリが公開される見込み

• 2019/9期2Q（1-3月）は、売上高が前年同期比5.1％減の580.15億USD、営業利益が同15.6％減の134.15億USD、純利益は同16.4％減の115.61億USD。EPSは2.46USDと市場予想の2.36USDを上回った。
• 2Qではウェアラブル、ホーム＆アクセサリー、サービスが売上を伸ばし、ハードからサービス重視への転換を裏付ける内容となった。
• 6/3より開催する開発者会議では、OSや主要アプリのアップグレードのほか、新たなアプリや開発ツールなどが披露される見込み。

What is the news?

4/30発表の2019/9期2Q（1-3月）は、売上高が前年同期比5.1％減の580.15億USD、営業利益が同15.6％減の134.15億USD、純利益は同16.4％減の115.61億USD。EPSは2.46USDと市場予想の2.36USDを上回った。主力のiPhoneの販売が落ち込み減収減益となった。米ドルが幅広い通貨に対し増価したことも響いた。ただ、iPadやウェアラブル、ホーム＆アクセサリー、サービスなどが売上を伸ばし一部相殺した。粗利益率は37.61％と前年同期から70bp低下。地域別では、米州、日本が増収となったものの、欧州、グレーターチャイナ、その他アジア太平洋地域が減収となった。また、四半期配当を1株あたり0.77USDにすると発表。5％の増配となる。

製品別の売上高は以下の通り。iPhoneは同17.3％減の310.51億USD。全地域セグメントでiPhineの販売台数が減少した。Macは同4.6％減の55.13億USD。iPadは同21.6％増の48.72億USD。ウェアラブル、ホーム＆アクセサリー（AirPodsやApple TV、Apple Watch、Beats、HomePod、iPod touchなどを含む）は、同30.0％増の51.29億USD。Apple WatchとAirPodsの販売が伸びた。サービス（AppleCareやApplePay、ライセンス収入およびその他サービスのほか、Maps、Siri、iCloudに係る繰延資産の償却などを含む）は、同16.2％増の114.50億USD。App StoreおよびAppleCareが好調に推移。

How do we view this?

2019/9期3Q（4-6月）会社計画は、売上高が525-545億USD、売上総利益率が37-38％、営業費用が87-88億USD、その他収益が2.50億USD。売上高見通しは市場予想の519億USDを上回った。2Q決算はハード販売中心からサービス重視への方向転換を裏付ける内容となった。秋には定額制の動画配信サービスApple TV+やゲーム配信サービスApple Arcadeを始める計画で、事業転換が加速しよう。Bloombergによると、同社は6/3から開催するワールドワイド・デベロッパーズ・コンファレンス（WWDC）で、オペレーティングシステム（OS）および主要アプリのアップグレード、新たなアプリや開発ツールを発表する計画。「メッセージ」などiPhoneの中核的アプリが更新されるほか、Apple WatchのiPhoneからの独立性を高める新アプリが披露されるもよう。ヘルスケア機能も一新される。