オートデスク、クラウドを通じたサブスクリプション契約の設計ソフトウエアSaaS企業へとビジネスモデル転換に成功。
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What is the news?
2019/1期4Q(2018/11-2019/1)は、売上高が前年同期比33.1%増の7.37億USD、営業利益が前年同期の▲1.82億USDから4,030万USD、純利益は前年同期の▲1.74億USDから6,470万USD、調整後EPSが前年同期の▲0.79USDから0.30USDへの黒字転換だった。増収率に比べて売上原価や販管費が抑制されたことが利益面で寄与した。年換算継続収益(ARR)は前年同期比34%増の27.5億USD、デバイス・フリー型のサブスクリプション契約によるARRは同87%増の22.0億USDであり、内2,700万USDは買収効果によるものである。同サブスクリプション契約数は2019/1期3Q末比で41.8万件増の353万件となったが、メンテナンスからサブスクリプションへの移行プログラムからの11万件の移行が貢献し、12.7万件は買収が寄与した。なお、全てのサブスクリプション契約数は2019/1期3Q末比で25.2万件増の433万件となった。売上原価は前年同期比5.3%増の7,700万USD。販管費は組織再編コストが前年同期比9,200万USD減少したこともあり、同6.4%減の6.20億USDだった。売上原価・販管費合計額では前年同期比5%減の6.97億USD。
地域別の売上高は以下の通り。米国は前年同期比29%増の3.00億USD、欧州・中東・アフリカは同35%増の2.99億USD、アジア・太平洋が同38%増の1.38億USD。また、売上高の構成比は、全てのサブスクリプション契約が74.6%で前年同期の53.0%から増加、メンテナンスが18.6%で同39.7%から減少。ビジネスモデル転換によって2019/1期のメンテナンス売上構成比を20%未満にするという会社計画を達成した。
How do we view this?
同社は、2020/1通期会社計画として、年換算継続収益合計額が前期比27-29%増の35.00-36.00億USD、売上高が同26-28%増の32.50-33.00億USD、売上原価・販管費合計額が同10%増、調整後EPSが2.71-2.90USDである。デジタル企業への変革を目指す顧客が増加するにつれて、同社が強みとする建設・工場・製造に対する設計の提案、特にクラウドシステムを通じたソリューションのニーズが高まっている。同社は、2020/1通期の継続収益(リカーリング収入)の売上構成比95%を目指し、より業績予測可能性の高いビジネスモデルへの転換完了を目指している。
配当予想(USD)0.00 (予想はBloomberg)
終値(USD) 153.85 2019/3/18
会社概要
1982年創立。設計用ソフトウェアとその利用サービスを提供するグローバルリーダーであり、テクノロジーの製品・サービスを通して顧客に生産性向上のビジネスソリューションを提供している。顧客は、建築設計・エンジニアリング・建設業の分野、商品設計および製造の分野、 デジタルメディアおよびエンターテイメント産業に広がる。
同社のソフトウエアおよびサービスによって、顧客は2D/3Dを通じて設計プロセスの早い段階で実際のパフォーマンスを視覚化、シミュレート、分析、設計・組立・製作を行うことができ、顧客のイノベーション促進、設計最適化、製造から建設へのプロセス合理化、時間とお金の削減、品質向上、チーム内におけるプランの相談、コラボレーション促進などが可能となる。同社が提供する主要なソフトウエアは、AutoCAD、AutoCAD LT、Industry Collections、CAM Solutions、AutoCAD Civil 3D、Maya、3ds Max、Revit、Inventor、BIM 360、Shotgun、Fusion 360があり、主にクラウドを通じたサブスクリプション契約によって提供されている。
企業データ(2019/3/6)
ベータ値 1.27
時価総額(百万USD) 33,695
企業価値=EV(百万USD) 34,829
3ヵ月平均売買代金(百万USD)281.1
1.ステート・ストリート 3.72
2.バンク・オブ・アメリカ 1.92
3.ウエリントン・マネジメント・グループ 1.85
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
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本レポートの作成者:フィリップ証券 リサーチ部
公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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