シティグループ、2018/12期4Q(10-12月)は黒字転換、M&Aアドバイザリーやトレジャリー&トレード・ソリューションが伸びた
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- 2018/12期4Q(10-12月)は、収益が前年同期比2.2%減の171.24億USD、純利益が43.05億USDと前年同期の▲187.65億USDから黒字転換。調整後EPSは1.61USDと市場予想の1.54USDを上回った。
- 報酬費用の圧縮やコスト削減の取り組みが寄与し、法人税等控除前の継続事業からの利益が同4.1%増の53.06億USDとなった。
- 債券市場業務からの収益は落ち込んだものの、M&Aアドバイザリーが同47%増の4.63億USDと大幅に伸びたほか、トレジャリー&トレード・ソリューションが初めて債券市場業務を上回った。
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1/14発表の2018/12期4Q(10-12月)は、収益が前年同期比2.2%減の171.24億USD、純利益が43.05億USDと前年同期の▲187.65億USDから黒字転換。債券市場業務の収益が減少したほか、レガシー資産の圧縮の影響により減収となった。一方、報酬費用の圧縮やコスト削減の取り組みなどにより営業費用が同4.2%減の98.93億USDとなった。インスティテューショナル・クライアント・グループ部門(ICG)での一時償却による与信費用の減少なども寄与し、法人税等控除前の継続事業からの利益が同4.1%増の53.06億USDとなった。純利益ベースでは前年同期に計上した税制改革に伴う一時費用の226億USDの反動もあり黒字転換。税制改革関連などで計上した特別項目を除くベースの調整後純利益は同14.0%増の42.19億USD。調整後EPSは1.61USDと市場予想の1.54USDを上回った。
セグメント別の業績は以下の通り。グローバル個人金融部門は、収益が前年同期比0.1%減の84.40億USD、調整後純利益が同14.2%増の15.19億USD。アジア地域が落ち込んだものの、北米、ラテンアメリカなどで収益が伸びた。ICG部門は、収益が同0.8%減の82.14億USD、調整後純利益が同14.4%増の25.21億USD。同セグメントの収益のうち、市場関連業務(債券市場業務、株式市場業務、セキュリティーズ・サービス、その他)からの収益は同11.3%減の30.73億USDと低調だったが、銀行業務(トレジャリー・アンド・トレード・ソリューションズ、投資銀行業務、プライベートバンキング、法人貸付業務)は同4.5%増の50.36億USDと伸びた。本社事項、本社業務/その他は、収益が同37.4%増の4.70億USD、調整後利益が同6.5%増の1.79億USDだった。
How do we view this?
4QのICG部門の収益の内訳では、市場関連業務で最大の債券市場業務が同21.2%減の19.42億USDと落ち込んだものの、M&Aアドバイザリー収入が同47%増の4.63億USDと大幅に伸びた。また、企業の外国での資金活動を支援するトレジャリー&トレード・ソリューションが同7.4%増の24.02億USDと初めて債券市場業務を上回るなど、全体としてはポジティブと見る。2019/12通期市場予想は、当期利益が前期比6.3%減の169.00億USD。
終値(USD) 61.38 2019/1/15
会社概要
世界160以上の国・地域に約2億の顧客口座を有する世界有数の金融持ち株会社である。1812年にシティバンク・オブ・ニューヨークとして創業。1946年にシティコープに社名変更し、1998年に投資銀行のスミス・バーニーを傘下に持つ保険会社トラベラーズ・グループと合併し設立し、シティグループとなった。2000年にはシュローダーの投資銀行部門を買収した。トラベラーズは2005年にメットライフに売却した。個人向け銀行業務、クレジットカード、法人貸付業務、投資銀行業務、証券ブローカレッジ業務、市場関連業務(マーケッツ&セキュリティーズ・サービス)、トレジャリー&トレード・ソリューション(キャッシュ・マネジメントおよびトレード・ファイナンス業務)、ウェルスマネジメントなどの幅広い金融商品とサービスを提供している。
企業データ(2019/1/16)
ベータ値 1.16
時価総額(百万USD) 149,898
企業価値=EV(百万USD) 361,519
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 1,343.8
1.Vanguard Group Inc 7.35
2.ブラックロック 7.27
3.ステート・ストリート 4.60
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
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公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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