スプランク、ビッグデータ解析に係るセキュリティ・プラットフォームを提供、取扱いデータ量拡大の恩恵を受けるSaaS企業。
- ・2019/1期4Q(2018/11-2019/1)は売上高が前年同期比35.3%増の6.22億USD、営業利益が同29.6%減の2,416万USDだった。
- ・ライセンス収入が同38.6%増だったが、研究開発費が同56.2%増、販売マーケティング費が同38.4%増と投資支出増を伴う拡大戦略を優先。新製品開発やセキュリティ・プラットフォーム買収に注力。
- ・会社計画では2020/1期1Qの売上高が同27.1%増の3.95億USD。AWSと戦略的パートナーシップを締結。同社のクラウドサービス上で活用されるビッグデータの取扱量拡大の恩恵を受けると期待。
What is the news?
2019/1期4Q(2018/11-2019/1)は売上高が前年同期比35.3%増の6.22億USD、営業利益が同29.6%減の2,416万USD、純利益が前年同期の3,317万USDから213万USDに減少した。営業減益は、研究開発費が同56.2%の1.31億USD、販売マーケティング費が前年同期比38.4%増の3.04億USDと投資支出増が要因であり、調整後の営業利益では同26.8%増の1.66億USD。純利益の減益は税制改革に伴う一時費用計上による。
売上高の項目別内訳は、サブスクリプション契約の継続課金であるライセンス収入が同38.6%増の4.11億USD、メンテナンス・サービス収入が同30.3%増の2.11億USD。粗利率が高い(98.6%)ライセンス収入の構成比率が前年同期の64.8%から66.1%に上昇した。更に、国内外の世界的大企業を含む600件以上の新規サブスクリプション契約顧客を追加し、安定収益のライセンス収入を伴う顧客基盤を拡大させた。
2019/1通期では、顧客企業がデータ収集・分析から有益なアウトプットをより容易に導けるような多くの新製品を開発し、顧客への付加価値向上を目指した技術への投資目的でのPhantomやVictorOps等のセキュリティ・プラットフォーム買収など、製品のイノベーションが進展した。
How do we view this?
2020/1期1Q(2-4月)の会社計画は、売上高が前年同期比27.1%増の3.95億USD、調整後の売上高営業利益率は前年同期の▲39.0%から▲7.6%へ、通期では前期の12.7%から14.0%への上昇を見込んでいる。同社は前期にデータセンターのクラウドであるAWS(アマゾン・ウエブサービス)を中心に戦略的パートナーシップを締結し、顧客のビッグデータ解析に係るセキュリティ上の課題解決が進展した。今後もビッグデータ活用企業が増加し、取扱いデータ量拡大が想定されることから、ビッグデータに係る解析とセキュリティのSaaS(Software as a Service)リーディング企業である同社に対する注目度が今後一層高まるものと期待される。2020/1通期の市場予想は売上高が前期比22.5%増の22.08億USD、当期利益が前期の▲2.75億USDから▲2.69億USDへの赤字縮小である。
終値(USD) 134.68 2019/4/15
会社概要
2003年に設立。顧客企業に対して、ウエブサイト、アプリケーション、サーバー、ネットワーク、モバイル機器等から生成されたビッグデータ(特に、機械データ)をリアルタイムで収集・解析し、かつ、高度なセキュリティの要請に応えるソフトウエアのサービスを開発・提供。主力製品は、「Splunk Enterprize」、パブリック・クラウド環境の「Splunk Cloud」、小規模IT環境向けの「Splunk Light」があり、これらの上位(プレミアム)サービスとして、情報セキュリティへの脅威に対応した「Splunk Enterprise Security」、機械学習に係るITビジネスの重要指標をモニターする「Splunk IT Service Intelligence」、データに係るサーバー攻撃や内部侵入を発見する「Splunk User Behavior Analytics」、異常が発生した場合に自動的に対応措置をとる「Splunk Phantom」がある。
企業データ(2019/4/16)
ベータ値 1.40
時価総額(百万USD) 20,212
企業価値=EV(百万USD) 19,089
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 214.4
1.T.ロウ・プライス・グループ 13.22
2.VANGUARD GROUP 8.63
3.ブラックロック 5.39
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
本レポートの発行元:フィリップ証券株式会社〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町4番2号
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本レポートの作成者:フィリップ証券 リサーチ部
公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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