ベライゾン・コミュニケーションズ、世界初の商用5G通信サービスを4/3より2都市で提供開始、年内に30都市での導入を目指す

• -1/29発表の2018/12期4Q（10-12月）は、売上高が前年同期比1.0％増の342.81億USD、純利益が同89.0％減の20.65億USD。調整後EPSは1.12USDと市場予想の1.09USDを上回った。
• -2019/12通期会社計画は、売上高の前期比1桁台前半の伸び、調整後EPSが同横ばい。4/23に2019/12期1Q（1-3月）の発表を予定。
• -4/3には世界初となる商用5G通信サービスを、ミネアポリスとシカゴの一部で開始したと発表した。年内に30都市での導入を目指す。

What is the news?

1/29発表の2018/12期4Q（10-12月）は、売上高が前年同期比1.0％増の342.81億USD、営業利益が同88.3％減の6.37億USD、純利益が同89.0％減の20.65億USD。2017/6に傘下AOLとYahooの中核事業を統合して設立した子会社Oathののれんの減損損失45.91億USDなどが響いた。2017/12成立の税制改革の効果が剥落し、法人税に係る利益が前年同期の158.49億USDから6.98億USDへ減少した。これら特別項目を除くベースの調整後EBITDAは同8.4％増の115.85億USD。調整後EBITDAマージン比率は33.79％と前年同期から23bp上昇。調整後EPSは1.12USDと市場予想の1.09USDを上回った。

主要な事業セグメントの業績は以下の通り。携帯通信サービスを提供するワイヤレス事業は、売上高が前年同期比2.7％増の244.12億USD、セグメント営業利益が同12.2％増の79.86億USD。携帯電話サービス契約数は前四半期から113.0万契約純増し、1億1,799.9万契約となった。そのうちポストペイド契約が同122.0万契約純増の1億1,335.3万契約、プリペイド契約が同9.0万契約純減の464.6万契約だった。有線通信サービスを提供するワイヤライン事業は、売上高が同3.2％減の73.73億USD、セグメント営業利益が▲2.73億USDと前年同期の6,200万USDから赤字転落。競争による価格下押し圧力が向かい風となり、通信事業者向けのサービスを提供するパートナーソリューションや中小・零細企業向けソリューションを提供するビジネスマーケットなどのサブセクターが減収となった。

How do we view this?

2019/12通期会社計画は、売上高の前期比1桁台前半の伸び、調整後EPSが同横ばい、法人実効税率が24-26％。同社は4/3、世界初の商用5G通信サービスをミネソタ州ミネアポリスとイリノイ州シカゴの一部で開始したと発表。当初は4/11開始の計画だったが、韓国に先行するため前倒しした。対応端末はモトローラ・モビリティー製スマホ「Moto Z3」で、ゲートウェイ機器「5G mot mod」を装着することで利用できる。5G mot modの小売価格は349.99USD。同通信サービスは4G無制限プランに月額10USDの追加料金で最大1Gbpsの通信速度を得られる。年内に30都市での導入を目指す。4/23に2019/12期1Q（1-3月）を発表する。

配当予想(USD) 2.44 （予想はBloomberg）
終値(USD) 58.40 2019/4/9

会社概要
1983年にベル・アトランティックとして設立した総合電気通信会社。2000年にGTEコーポレーションとの合併に伴い現行の社名に変更した。全米で携帯通信サービスの提供や通信機器販売を行うほか、世界各国で固定電話サービス、ブロードバンドビデオ、データサービス、企業 向けネットワーキングソリューション、セキュリティー、マネージドネットワークサービスなどを提供している。約155,400人の従業員を雇用している。
　ワイヤレス通信サービスを提供するベライゾン・ワイヤレスは米国最大の携帯通信事業者で、契約者数第1位。同社の4G LTEネットワークは総人口の98％をカバーしている。ベライゾン・コミュニケーションズとボーダフォンの協業により2000年に発足したが、2014年にベライゾン・コミュニケーションズがボーダフォンの保有する45％の株式を買い取り、完全子会社とした。

企業データ（2019/4/10）
ベータ値 0.73
時価総額(百万USD) 241,309
企業価値=EV(百万USD) 353,192
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 819.6