ウエイスト・マネジメント、積極的買収による地理的エリアと顧客層拡大が、シナジー効果を通じて事業の内部成長に寄与へ
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- 2019/12期1Q(1-3月)は、前年同期比5.3%増の36.96億USD、営業利益が同2.1%増の6.21億USD、減損等の調整後純利益は同1.5%増の4.02億USDだった。
- 主力のゴミ回収・処分事業は買収等の外部成長を除くオーガニック売上高が同6%以上増、営業EBITDAが同7%以上増と好調だった。
- 積極的な買収戦略による地理的エリアおよび顧客層拡大による顧客利便性向上とコスト削減効果が今後も成長を支えると期待される。
What is the news?
4/25発表の2019/12期1Q(1-3月)は売上高が前年同期比5.3%増の36.96億USD、営業利益が同2.1%増の6.21億USDだった。純利益が同12.4%減の3.47億USDだったが、減損等の調整後純利益は同1.5%増の4.02億USDだった。同社が重視する営業EBITDA(GAAP基準の営業利益ベースEBITDA)が同3.4%増の9.87億USD。リサイクルを除いた4事業(ゴミ回収、埋立地管理、中間処理施設運営、その他)が増収だった一方、リサイクルは商品価格が同28%低下した逆風下で営業努力によって営業日調整ベースで取扱販売量が同7.1%増となり、営業EBITDAが増益だった。売上高営業費用率は同変わらずの62.2%だったが、前年同期の連邦天然ガス燃料費用控除0.8%相当分が無くなった分を吸収した。
主力となるゴミ回収・処分事業(ゴミ回収、埋立地管理、中間処理施設運営)は、買収等の外部成長を除いたオーガニック売上高が同6%以上増、営業EBITDAが同7%以上増であり、売上単価が同2.7%増、営業日調整ベースの取扱販売量が同4.1%増と好調だった。
How do we view this?
2019/12通期の会社計画は、営業EBITDAが前期比4.3-5.5%増の44.00-44.50億USD、サービス単価が同4.0%増(ゴミ回収・処分事業が同2.0%増)、外部成長を除いた内部売上高に係る取扱販売数量が同2.0%増である。同社成長の鍵を握るのは主に同業他社の買収であり、地理的サービスエリアおよび顧客層を拡大しつつ、サービス提供の密度上昇を通じて収益性を高めていく戦略である。3/11に石油業界に係る総合環境サービスを提供するペトロ・ウエイスト・エンバイロンメンタル買収を発表し、テキサス州の大手石油・ガス生産業者が有力顧客層に加わることが見込まれる。更に、4/15に米国東部の同業ゴミ収集企業(アドバンスト・ディスポーザル・サービシス)の買収合意を発表し、年当たり1.00億USD以上の費用削減によるシナジー効果が期待される。2019/12通期の市場予想は、売上高が前期比5.0%増の156.55億USD、当期利益が同7.0%減の17.90億USDである。
配当予想(USD) 2.03 (予想はBloomberg)
終値(USD) 113.14 2019/6/11
会社概要
1987年に設立された「USA Waste Services,Inc.」が、1998年に「Waste Management, Inc」(1968年設立)を完全子会社化し、子会社の社名に変更。総合廃棄物管理環境サービスを提供する北米最大手業者であり、「ゴミ回収(Collection)」、「埋立地管理(Landfill)」、「中間処理施設運営(Transfer)」、「リサイクル(Recycling)」、「その他(Other)」の5つの事業セグメントで構成される。
主力のゴミ回収事業は、家庭および事業所で排出される廃棄物やリサイクル可能な物質を回収し、処分場またはリサイクル工場へ移送する業務を行う。埋立地管理事業は、252ヵ所の固形廃棄物埋立地ネットワークのほか有害廃棄物埋立地を所有・運営している。中間処理施設運営事業は、埋立地までの距離が遠い都市で処分を効率的に行うために、314ヵ所の保管施設を所有・管理し、廃棄物を蓄積、圧縮し処分場へ輸送する。リサイクル事業は、リサイクル可能な商品を回収・再生・販売するが、リサイクル可能な資源化可能物を一つの容器にまとめて収集して機械スクリーンや光学技術で選別する「シングルストリーム・リサイクル」に注力し、リサイクル量の増加に成功している。その他事業は、石炭などから出る残渣物の処理事業や、埋立地から発生するメタンガスを回収して発電などで再利用を行う。
企業データ(2019/6/12)
ベータ値 0.78
時価総額(百万USD) 48,057
企業価値=EV(百万USD) 58,756
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 179.0
主要株主(2019/6) (%)
1.VANGUARD GROUP 8.43
2.ブラックロック 7.34
3.ステート・ストリート 4.75
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
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公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
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